平成24年度に東京労働局が割増賃金未払い企業125社へ是正指導し、遡及支払額が17億円を超えたことを示すイラスト
東京労働局が平成24年度に割増賃金未払い企業2,300社へ是正勧告・指導し、125社で100万円以上の遡及支払が発生したことを説明する漫画
平成24年度、東京労働局は割増賃金の未払いがあった2,300社に是正勧告・指導を実施し、125社で100万円以上の支払いが発生しました。

【概要】

東京労働局では、平成24年度に、労働基準監督署において、時間外・休日・深夜労働に対する割増賃金が適正に支払われていない企業2,300社に対し、労働基準法第37条違反として、是正を勧告・指導しました。具体的には、次の内容が特徴的です。

1.支払われた金額が100万円以上になった企業は125社でした。

2.この125社を業種別にみると、商業が44件と最も多く、次いで、その他の事業(情報処理サービス業等)30件、教育・研究業10件の順でした。

3.そして、この125社の遡及払額 は17億6,464万円でした。

【意見・感想・解説】

今回は、東京労働局による割増賃金に関する是正勧告・指導結果を取り上げました。割増賃金に関する遡及払い、すなわち賃金不払い残業については基本的に労働基準監督署は容赦ないと考えてよいでしょう。

最近は、ブラック企業という言葉もよく耳にするようになりました。残業代を支払う義務があるのに、意図的に支払っていないということは、ブラック企業といわれても仕方がありません。こうした企業に対して、遡及払いを命じるのはやむを得ないと考えます。

問題となるのは、自社では、きちんと残業代について対応していると思っているにも関わらず、実は違っていた場合です。例えば、自己申告制であって、申告上は残業をしていないことになっているが、実態が残業をしており、その点を指摘された場合です。

また、事業場外労働に関するみなし労働時間制を適用していたところ、実は労働時間の把握が可能であると指摘されたことにより、この制度の適用が否定されることも考えられます。その場合、結果的に残業が発生していれば、割増賃金不払いが指摘されることが考えられます。

さらに、基本給に残業代を含むようにしていたが、明確に区分されていないため、こうしたみなし残業手当が否定されることも考えられます。

このように、会社では、問題ないと思っていながら、制度の不備を指摘され、残業代の支払いを命ぜられるリスクもあります。一度、自社の賃金制度に問題がないか確認してみるとよいでしょう。