タクシー会社の元社長が乗務員に暴行や暴言を行ったパワハラ訴訟で、東京地裁が会社側に損害賠償を命じた事例
タクシー会社の元社長が勤務中の乗務員に「辞めろ」と暴言を繰り返し、座席を蹴るなどしたパワハラ行為について、裁判所が賠償を命じた事例
勤務中のタクシー乗務員に対する元社長の暴言や座席を蹴る行為について、東京地裁は指導の範囲を超えた違法なパワハラと判断しました。

【概要】

あるタクシー会社の乗務員ら5人が、勤務中に当時の社長にパワハラを受けたという理由で、会社と元社長に計約2,350万円の損害賠償を求めた訴訟がありました。東京地裁は、暴行や暴言を認定し、約500万円の支払いを命じました。具体的には以下の通りです。

1.会社側は指導が目的と主張しました。

2.しかし、裁判所は、「暴行が許されないのはもちろん、威圧的な態度で『辞めろ』と繰り返し言うなど、乗務員らの人格を否定し、多大な精神的プレッシャーを与えた」と指摘しました。その結果、社会的に許容される限度を明らかに逸脱し、違法と判断しました。

3.元社長は5人が運転するそれぞれの車の後部座席に乗り、運転席を蹴ったり、「辞めろ、おまえ」と大声を出したりしていました。

【意見・感想・解説】

今回は、タクシー会社におけるパワハラに関する裁判について取り上げました。パワハラは、現在相談も多く、また、ハラスメント防止研修の対応を通じて、パワハラについての意識が高まってきていることを感じています。

さて、今回の特徴は、社長によるパワハラです。これは、とても問題です。

なぜならば、パワハラ防止で最も重要なことは、経営者のパワハラ防止の強い意識です。従って、できれば経営者が「パワハラ撲滅宣言」を行うことが理想的です。

そして、最悪なのが、今回の事件のように経営者自らがパワハラを行うことです。これでは、社内ではパワハラが生じるのは、仕方のないことだという悪い雰囲気ができてしまいます。

当然、社員が会社に対して悪い感情を抱き、このように裁判で争われるリスクは高くなります。

経営者の日々の行動はとても重要です。