
【概要】
あるプリント加工会社では、社員思いの改革を実施しています。具体的には、次の内容が特徴的です。
1.午前8時20分、会社の一日はヨガで始まります。以前やっていたラジオ体操は、“イケてない”との理由で無くなりました。
2.子育てなどプライベートとの両立を可能とするため、当日の急な休みも認めるとともに、出退勤時間は自由にしています。
残業も、基本的に行いません。
3.働く意欲があれば、年齢は一切関係なく採用します。最近では、86歳の方が入社してきました。
4.社内に駄菓子屋をオープンし、社員が働いている間の子ども達の居場所を作っています。
【意見・感想・解説】
今回は、社員思いの改革に取り組む企業事例を紹介しました。
出退勤時間が自由、86歳の方を新規採用ということで、かなり大胆です。
これまで様々なユニーク社内制度を取り上げてきましたが、ここまで性善説にたって社員思いの制度を実施しているケースは、珍しいです。
特筆すべきこととして、この会社は、「従業員第一主義」をとっており、就職希望者が殺到しているようです。さらに、今の社長になってから、売上を20倍に伸ばしています。
[社員思いの制度を実施]→ [社員のモチベーション向上]→ [会社の業績拡大]→ [さらに社員思いの制度を実施]という良いサイクルができていると思います。
とても参考になる事例です。
今回の事例を踏まえ、会社(社長)から社員へのメッセージおよび規程例を作成しました。ご参考ください。
会社から社員へのメッセージ例
社員の皆様へ
いつも日々の業務に真摯に取り組み、会社を支えてくださっていることに、心より感謝申し上げます。
会社が今日あるのは、社員の皆様一人ひとりの努力、誠実さ、そして仲間を思いやる気持ちがあってこそです。私たちは、会社の成長を支えている最も大切な存在は、設備でも制度でもなく、そこで働く「人」であると考えています。だからこそ会社は、これからも社員の皆様を何より大切にする姿勢を、変わることなく持ち続けてまいります。
働くうえで大切なのは、仕事だけでなく、家庭、健康、子育て、介護、そして自分自身の人生も大事にできることです。急なお休みが必要になる日もあれば、決まった時間どおりに働くことが難しい日もあります。そのような一人ひとりの事情に寄り添い、安心して働き続けられる会社でありたいと、私たちは考えています。
出退勤の柔軟な運用や、残業を前提としない働き方、年齢にとらわれない活躍の場づくり、そして子どもたちが安心して過ごせる居場所づくりも、すべては社員の皆様に少しでも長く、安心して、前向きに働いていただきたいという思いから生まれたものです。
会社にとって大切なのは、「辞めずにいてほしい」とお願いすることではなく、「ここで働き続けたい」と自然に思っていただける環境を整えることです。社員の皆様がこの会社で働くことに安心を感じ、やりがいを持ち、将来に希望を持てることこそが、会社の何よりの願いです。
そして、社員の皆様が安心して働ける環境は、仕事への意欲や職場の信頼関係を育み、結果としてお客様へのより良い仕事につながり、会社の成長へとつながっていきます。社員を大切にすることは、会社の未来を大切にすることでもあります。
これからも会社は、社員の皆様の声に耳を傾けながら、より働きやすく、より温かく、より安心できる職場づくりに取り組んでまいります。どうか一人で抱え込まず、困ったことや改善してほしいことがあれば、遠慮なく声を聞かせてください。
社員の皆様が笑顔で働き、安心して長く活躍できる会社であり続けること。それが、私たちの変わらぬ願いです。これからも共に支え合い、より良い会社をつくっていきましょう。
代表取締役社長〇〇〇〇
働きやすい職場環境整備規程例
(目的)
第1条 本規程は、社員が心身ともに健康で意欲を持って勤務できる職場環境を整備し、仕事と家庭生活その他の私生活との両立を支援するとともに、社員相互の信頼関係に基づく働きやすい職場づくりを推進するために必要な事項を定めるものとする。
(基本方針)
第2条 会社は、従業員第一主義の考え方のもと、社員が安心して能力を発揮できる職場環境を整備するものとする。
2 社員は、本規程の趣旨を理解し、互いに協力しながら、円滑な業務運営および良好な職場環境の維持に努めるものとする。
(始業時の健康増進活動)
第3条 会社は、社員の健康の保持増進および職場の一体感の醸成を目的として、始業時に健康増進活動を実施することができる。
2 健康増進活動の内容、実施時間その他必要な事項は、会社が別に定める。
3 社員は、業務に支障のない範囲で、会社が定める健康増進活動に参加するものとする。
(柔軟な出退勤)
第4条 会社は、社員が育児、介護、通院その他の私的事情と仕事を両立できるよう、出勤時刻および退勤時刻について柔軟な取扱いを認めるものとする。
2 社員は、出退勤時刻を変更する場合、可能な限り事前に会社へ申し出るものとする。
3 やむを得ない事情により事前の申出が困難な場合は、事後速やかに会社へ報告しなければならない。
4 前各項の具体的な運用方法は、業務の状況を勘案し、会社が別に定める。
(当日の急な欠勤)
第5条 会社は、育児、家族の事情、本人の体調不良その他やむを得ない事情がある場合には、当日の急な欠勤を認めるものとする。
2 社員は、急な欠勤をする場合、始業時刻までに会社へ連絡するよう努めるものとする。
3 やむを得ず始業時刻までの連絡が困難な場合は、連絡可能となった時点で速やかに会社へ連絡しなければならない。
4 会社は、急な欠勤の申出があった社員に対し、事情に配慮した対応を行うものとする。
(残業を前提としない勤務)
第6条 会社は、社員の心身の健康保持および私生活との両立を図るため、残業を前提としない勤務体制を基本とする。
2 業務上やむを得ない場合に限り、会社は必要最小限の範囲で時間外勤務を命ずることができる。
3 社員および管理者は、業務の効率化および計画的な業務遂行に努め、時間外勤務の削減に取り組むものとする。
(年齢にとらわれない採用)
第7条 会社は、採用に当たり、応募者の意欲、経験、能力、適性等を総合的に判断するものとし、年齢のみを理由として採否を決定しない。
2 会社は、多様な人材が活躍できる職場環境の整備に努めるものとする。
(子どもの居場所づくり)
第8条 会社は、社員が安心して勤務できる環境を整備するため、社内に子どもが過ごせる居場所を設けることができる。
2 前項の居場所には、必要に応じて駄菓子等を備え付けることができる。
3 社員は、子どもを同伴し、または当該居場所を利用させる場合、会社が定める利用上のルールを遵守しなければならない。
4 会社は、当該居場所の安全確保、衛生管理および円滑な運営に努めるものとする。
(社内手続き)
第9条 社員は、第4条の出退勤時刻の変更、第5条の急な欠勤、第8条の子どもの居場所の利用その他本規程に基づく配慮を受けようとするときは、会社の定める方法により申し出るものとする。
2 会社は、前項の申出があった場合、本人の事情、業務への影響および職場全体の運営状況を踏まえ、必要な調整を行うものとする。
3 会社は、本規程の円滑な運用のため、申出先、連絡方法、利用手続きその他必要な事項を別に定め、社員に周知するものとする。
(職場秩序および相互協力)
第10条 社員は、本規程に基づく制度を相互の信頼のもとで適切に利用し、職場秩序を乱し、または他の社員に過度の負担を及ぼすことのないよう努めなければならない。
2 会社および社員は、制度の趣旨を尊重し、働きやすさと業務運営の両立に向けて相互に協力するものとする。
(見直し)
第11条 会社は、社会情勢、社員のニーズおよび制度の運用状況等を踏まえ、必要に応じて本規程の内容を見直すものとする。
(附則)
第12条 本規程は、令和◯年◯月◯日より施行する。
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代表社員 坂本直紀の紹介
坂本 直紀(さかもと なおき)
人事コンサルタント/特定社会保険労務士/中小企業診断士
坂本直紀 社会保険労務士法人 代表社員
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