
【概要】
ある学習塾に勤務していた男性が、亡くなりました。渋谷労働基準監督署はこれを、長時間労働が原因として労災認定していました。具体的には、次の内容が特徴的です。
1.男性は教室長として、学習指導やアルバイト講師の育成などの業務を行なっており、保護者からの苦情対応や、定期面談なども行っていました。
2.ある日、男性は突然倒れ、病院に搬送されましたが、急性の大動脈瘤乖離による心停止が原因で、死亡しました。
3.労働基準監督署は発症前1ヵ月の時間外労働を113時間57分と認定し、労災と判断しました。また、発症前2~6ヵ月の時間外労働は、月80~130時間でした。
4.この男性は、1日の残業時間の大半を「0(ゼロ)時間」と記入していました。そのため、社内のシステム作業ログや妻とのLINEメッセージを参照することで、時間外労働時間の実態を算出した、という経緯です。
【意見・感想・解説】
今回は、過労死で労災認定された事件を取り上げました。時間外労働が月100時間を超えているので、過労死として認定されることは特に不思議ではありません。
今回のポイントは、以下の2点です。
1.特定の人に業務が集中:
この男性に仕事が集中し、その結果、業務量が過大になり長時間労働になっています。業務量や負荷を考慮し、社員間で相互にサポートし合える体制を構築する必要があったといえるでしょう。
2.自己申告の不徹底:
自己申告の残業時間(ゼロ時間)と実際の労働時間に差があることは、周囲から見ても明らかだったと思います。普通で考えれば、残業時間がゼロということは、おかしいと感じるはずです。本人の虚偽申告も問題ですが、組織としてこの点を確認していなかったことも、問題です。
従って、普段から以下の2点は、しっかり対応する必要があります。
◇特定の人の業務が集中しないようにすること
◇実際の労働時間を適切に把握すること
労働時間の管理をないがしろにしていると、今回のように何か問題が起こったときに、会社としてより大きなダメージを受けることになりやすいと言えます。
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今回のような過労死に関する労災認定事案では、長時間労働そのものだけでなく、特定の社員への業務集中、自己申告と実態の乖離、会社による労働時間把握の不十分さなど、日頃の労務管理体制が大きく問われます。
労働時間の管理や業務配分を適切に行っていなければ、従業員の健康を損なうだけでなく、労災認定、損害賠償請求、企業イメージの低下、人材流出など、会社にとって重大なリスクにつながります。
こうしたトラブルを未然に防ぐためには、普段から労働時間の実態を正確に把握し、特定の人に業務が偏っていないかを確認し、問題が生じた場合には適切かつ迅速に対応できる体制を整えておくことが重要です。
また、労務管理の整備は、単にリスクを防ぐためだけのものではありません。社員が安心して働ける職場環境をつくることは、優秀な人材の確保及び定着にもつながります。特に人手不足が続く中では、働きやすく、信頼できる会社であることが、採用力や定着率を高める大きな要素となります。
坂本直紀 社会保険労務士法人では、顧問契約を通じて、労働時間管理、業務負荷の見直し、就業規則の整備、トラブル発生時の対応など、人事労務に関する課題について継続的にサポートしています。
「労働時間の管理に不安がある」「特定の社員に業務が集中している」「労務トラブルを未然に防ぎたい」「社員が安心して働ける職場をつくりたい」とお考えの企業様は、ぜひ顧問契約をご検討ください。
顧問契約の内容
- 定期対面による、親身な対応
貴社の人事労務の課題を深く理解し、現場目線で実践的な提案を行います。 - ご相談に対する、迅速な回答
メール・電話・オンラインなど最適な手段でスピーディーに対応します。 - 就業規則の作成・改定
最新法令を踏まえた規程整備でリスクを軽減します。 - 書式や最新情報のご提供
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代表社員 坂本直紀の紹介
坂本 直紀(さかもと なおき)
人事コンサルタント/特定社会保険労務士/中小企業診断士
坂本直紀 社会保険労務士法人 代表社員
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