残業時間を過少処理した県立高校事務長の懲戒処分を表すイラスト。労使協定の限度時間超過や時間外勤務手当の未払い問題を示している。
県立高校の事務長が労使協定の限度時間内に収めるため残業申請を調整し、時間外勤務手当の過少処理により懲戒処分を受けた事例を描いた漫画。
静岡県の県立高校で、事務長が時間外勤務の限度時間を超えないよう残業時間を過少処理し、減給の懲戒処分を受けた事例。

【概要】

静岡県の県教委は、ある県立高校の男性事務長が、労使協定で定めた時間外勤務の限度時間を超えていなかったように手続きした等により、減給10分の1(1カ月)の懲戒処分にしたと発表しました。具体的には、次の内容が特徴的です。

1.事務職員は事務長を含め3人在籍しています。事務長は、労使協定で定める限度時間内に残業時間を収めるために、3人の時間外勤務手当を、2,014年度は340時間分(約66万円)、2015年度は1072時間分(約308万円)過少に処理していました。

2.事務長は「協定を守らないといけないと思っていたが、一生懸命にしていたものの、時間内では仕事がこなせなかった」と述べています。

【意見・感想・解説】

今回は、残業の過少処理に関する内容を取り上げました。

現在、労働局や労基署においては、過重労働に関する対策を強化しています。そのため、36協定のチェックは、従前以上に厳格化しています。

36協定には、限度時間を定めることになりますが、この限度時間は、特別条項のような例外はありますが、原則として1か月45時間以内としています。このため、こうした限度時間を超過するような残業が行われていますと労基署の調査が行われた場合、問題になります。

そこで、各企業は36協定で定める限度時間を超えないように、残業を管理するように職場の管理者に通知していることが多いと思われます。

しかし、一方で、業務が多忙で、社員数が少ない場合は、限度時間を超えるような働き方をしている社員が出てくるリスクがあります。また、業務を遂行できなければ問題になるため、こうした社員の残業を黙認することもあるかもしれません。

そうなれば、管理者としては会社の指示に反することになりますので、今回のケースのように過少申告するといったことが出てきても不思議ではありません。

このように、残業に関する法規制を遵守することは大切ですが、一方で、業務の改善により、労働時間の短縮を図る取り組みも実施することも重要です。