過労死ライン未満でも労災認定された整備士の過重労働を示すアイキャッチ画像
商用車整備士の過重労働と月平均77時間残業を踏まえた労災認定事例を解説する漫画画像
整備業務に加えて洗浄作業や深夜帰宅が続き、空調のない職場環境なども考慮されて労災認定された事例を漫画で解説。

【概要】

ある商用車メーカー大手において、急性心不全で死亡した社員がいました。京都下労働基準監督署では労災と認定しました。具体的には、次の内容が特徴的です。

1.今回の労災認定は、過去の決定をが取り消し、2021年9月改定の新基準に基づき判断されました。

2.この男性は整備業務を担当していましたが、深夜帰宅が多く、空調設備のない作業場で洗浄作業もこなしていました。その後、体調不良を訴えて欠勤し、急性心不全で亡くなりました。男性の発症前の残業時間は月平均77時間でした。

【意見・感想・解説】

今回は、過労死事案を取り上げました。

2021年9月改定の新基準に基づき判断されたことが特徴です。この基準の主なポイントは次の通りです。

●労働時間と労働時間以外の負荷要因を総合評価して、労災認定することが明確化されました。

発症前1か月間に100時間または2~6か月間平均で月80時間を超える時間外労働は、発症との関連性は強いとされています。この水準には至らないもののこれに近い時間外労働+一定の労働時間以外の負荷評価があれば、業務と発症との関連が強いと評価されることになります。

●労働時間以外の負荷要因

勤務間インターバルが短い勤務、身体的負荷を伴う業務、不規則な勤務・交替制勤務・深夜勤務などがあります。

今回は、月平均77時間ですので、2~6か月間平均で月80時間未満ではあるものの、深夜帰宅や空調設備のない作業場で洗浄作業といったことが労働時間以外の負荷要因として考慮されました。こうした事例が出てきましたので、これまで労災をあきらめていた人も労災請求されるようになるかもしれません。

今後の動向に注目したいと思います。

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代表社員 坂本直紀の紹介

坂本 直紀(さかもと なおき)
人事コンサルタント/特定社会保険労務士/中小企業診断士
坂本直紀 社会保険労務士法人 代表社員

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