社員モチベーション向上策の実験として、報酬を受け取る男性とパズルに取り組む女性を描いたアイキャッチ画像
デシのソーマキューブ実験で、金銭的報酬の有無によってAグループとBグループのパズルへの意欲が変化する様子
報酬を与えられたAグループと、報酬なしでもパズルを続けるBグループの比較から、内発的モチベーションへの影響を解説します。

【概要】

前回から、非金銭的報酬の重要性を解説しています。今回は、1つ興味深い実験結果を紹介させていただきます。
※参考書籍 モチベーション3.0 (ダニエル・ピンク/大前研一)

デシの実験です。

ソーマキューブというパズルを使用します。このパズルはプラスチック製の七つの立体のブロックからなります。このブロックを使って、数百万通りの形状が組み立てられます。

そして、この実験のため、男女の大学生をAグループとBグループに分けました。参加者が実験用の部屋に入りますと、完成された3つの形が描かれた図と、様々な雑誌が置かれたテーブルが用意されています。

【実験初日】
図で示された形となるようにソーマキューブを組み立てるようにAとBのグループに指示しました。

【2日目の実験】
前日と異なる図を使用して同様の作業を行います。但し、今回はAとBのグループへの対応を変えます。

○Aグループ
図と同じかたちに変えたら、その都度1ドル与えます。

○Bグループ
報酬は与えられませんでした。

【3日目の実験】
同様の作業ですが、今回はAとBグループ両方に報酬が与えられませんでした。

デシは、このグループを観察していました。それぞれ、自由時間を与えて観察していました。結果は以下の通りです。

【実験初日】
自由時間にさほど、大きな変化はありませんでした。パズルへの興味がある状況でした。

【2日目の実験】
報酬を与えられないグループBの行動は前日と同様であった。報酬を与えられたグループAは大きな情熱を傾けて自由時間にパズルに取り組んだ。

【3日目の実験】
2つのグループに対して報酬は与えられていません。

報酬を与えられないグループBは、前日や前々日の自由時間より、さらに少し長い間パズルで遊んでいた。熱心に取り組んでいた。

グループAは、大幅にパズルに取り組む時間が減りました。これは、報酬を与えられた2日目のみならず、初日よりも減ってしまいました。

【意見・感想・解説】

いかがでしょうか。

一時的に報酬を与えることが、悪影響を及ぼすことを示した面白い実験結果です。

デシは、「ある活動に対する外的な報酬として金銭が用いられる場合、被験者はその活動自体に本心からの興味を失う」と述べています。

さらに、論文で「子供や従業員、学生などの内発的動機づけの育成や向上に興味を抱いているなら、金銭的報酬などの外部から刺激する仕組みだけに目を向けるべきではない」としています。

まだまだ、非金銭的報酬続きます。楽しみにして下さい。