
【概要】
今回からは、非金銭的報酬について、色々解説させていただきます。非金銭的報酬ですが、あまりイメージが湧きにくいと思っています。そもそも、一生懸命仕事する上では、最も大事なことは金銭的報酬(給料や賞与)の高さだという反論もあるかもしれません。
そこで、次のケースを取り上げたいと思います。
参考:「モチベーション3.0」(ダニエルピンク、講談社)
ちょっとタイムスリップして、1995年に戻ってみて下さい。今は、1995年です。そして、これから2つの百科事典について説明します。
1つ目は、マイクロソフト社(以下「MS」といいます)が出す百科事典です。MSは、ウィンドゥズ95で多大な利益を上げている会社ですが、この度、プロのライター等に依頼して、多数の項目を有料で執筆してもらいます。マネージャー等は十分な報酬を受けて、プロジェクトにより予算内で
完了するようにします。まずは、百科事典をCD-ROMで販売し、その後オンラインで販売します。
2つ目の百科事典は、これから出てきますが、企業は販売しません。かなり多くの人が、自分の楽しみのため記事を編集します。参加資格はなく、報酬は全く支払われません。すなわち、参加者は無料で労力を提供することになります。
さて、ここで質問です。
この百科事典は15年後には、どちらかが世界的に大きく成長します。一方、片方は、提供を中止しています。この二つの百科事典のうち、どちらが、世界的に大きく成長していると
思いますか?
おそらく、普通で考えれば、しっかり労力に対して適切な報酬で処遇するMSの百科事典だと思うのではないでしょうか。
ただ働きで、もっといえば持ち出しもあるかもしれない。2つ目の百科事典は、成立しないと思うのではないでしょうか。
ところが、その後はどうなったかといいますと、
1つ目のMSの百科事典、「MSNエンカルタ」は、2009年に打ち切りを発表し、サービスは終了しました。
2つ目の百科事典はご存じですね。「ウィキペディア」です。今や世界で最大規模となる百科事典に成長しました。
いかがでしょうか?何だか、不思議な気がしますね。
重要なことは、「高い金銭的報酬=高いモチベーション」とは言い切れないことを感じていただきたいということです。前回、お話ししたボランティアや南極探検隊の広告でも、そのことがわかりますね。
まだまだ、半信半疑の方も多いと思いますので、次回も、もう少し、事例を紹介して、金銭的報酬と非金銭的報酬の関係をお話ししたいと思います。お楽しみにして下さい。









