
【概要】
あるシステム会社では、「おしゃれ手当制度」を導入しています。具体的には、次の内容が特徴的です。
1.毎月、社員に、衣服・美容にかかる費用を5,000円補助する制度です。
2.おしゃれ手当を利用する条件は、買ったものや、使ったシーンを写真に撮って、Slackにアップすることとされています。
【意見・感想・解説】
今回は、「おしゃれ手当制度」について、取り上げました。
これはなかなか素晴らしいですね。会社が社員のおしゃれに一定額を補助するのは、社員にとって喜ばしいことです。
ただ、私が注目したのは、買ったものや使ったシーンを写真に撮って、Slack(ビジネス用のメッセージングアプリ)にアップするという点です。
他の社員のおしゃれな姿や楽しそうな様子をみることができるので、「素敵ですね」、「どこで買ったの?」、「かわいい!」などのチャットが寄せられると思います。コミュニケーションの円滑化につながりますね。
コメントされた社員も、照れくさいかもしれませんが、嬉しいと思います。
今回のように、単なる金銭補助ではなく、コミュケーションまで深く考えた制度は見事です。
今回の事例を踏まえ、会社(社長)から社員へのメッセージおよび規程例を作成しました。ご参考ください。
会社から社員へのメッセージ例
社員の皆様へ
いつも日々の業務に真摯に向き合い、会社を支えてくださっていることに、心より感謝申し上げます。
会社にとって、最も大切な存在は社員の皆様です。皆様一人ひとりの努力や成長、そして前向きに働く姿勢が、会社の発展を支える大きな力になっています。私たちは、社員の皆様が安心して働けることはもちろん、毎日を少しでも明るく、自分らしく過ごせる職場づくりを大切にしています。
その思いの一つとして、当社では毎月5,000円の「おしゃれ手当」を通じて、衣服や美容などの外見ケアを応援しています。身だしなみを整えることは、自分自身の気持ちを前向きにし、仕事への意欲や自信にもつながる大切なことだと考えています。会社は、社員の皆様がいきいきと働き、自分らしさを大切にできる環境を整えていきたいと考えています。
また、この制度では、購入したものや活用した場面をSlackで共有していただくことで、社員同士のコミュニケーションが自然に生まれることも期待しています。何気ない投稿をきっかけに会話が増え、互いの個性や魅力を知り合い、職場に温かなつながりが広がっていくことは、会社にとっても大変うれしいことです。
社員の皆様が「この会社で働いていてよかった」「これからもここで頑張りたい」と感じられることが、私たちの何よりの願いです。会社は、制度や環境づくりを通じて、これからも皆様を大切にし、長く安心して働ける職場をつくってまいります。
どうかこれからも、自分らしさを大切にしながら、仲間とのつながりを深め、明るく活気ある職場を一緒につくっていきましょう。会社はこれからも、社員の皆様を心から大切にしてまいります。
代表取締役社長〇〇〇〇
おしゃれ手当制度規程例
(目的)
第1条 本規程は、社員の身だしなみ及び外見ケアを支援し、あわせて社員間のコミュニケーションの活性化を図ることを目的として、おしゃれ手当制度に関し必要な事項を定めるものとする。
(適用対象者)
第2条 本規程は、会社が認める社員に適用する。
2.適用対象者の範囲、支給開始日その他必要な事項は、会社が別途定めるものとする。
(制度内容)
第3条 会社は、社員に対し、衣服及び美容にかかる費用の補助として、毎月5,000円のおしゃれ手当を支給する。
2.前項の手当は、社員の身だしなみの向上及び就業意欲の向上に資することを目的として支給するものとする。
(対象費用)
第4条 おしゃれ手当の対象となる費用は、次の各号に掲げるものとする。
1.衣服、靴、かばん、服飾雑貨その他業務上又は日常において使用する身だしなみに関する費用
2.美容院、理容店、化粧品、スキンケア用品その他外見ケアに関する費用
3.前各号に準ずるものとして会社が適当と認める費用
2.会社は、必要に応じて対象費用の範囲を見直すことができる。
(支給条件)
第5条 おしゃれ手当の支給を受けようとする社員は、当該手当を利用して購入した物品又は当該手当を利用した場面若しくは使用シーンを写真に撮影し、会社が指定するSlack上に投稿しなければならない。
2.前項の投稿は、社員同士の交流促進及び制度利用状況の共有を目的として行うものとする。
3.会社は、投稿内容が本制度の趣旨に反すると認める場合には、支給の対象外とすることがある。
(社内手続き)
第6条 おしゃれ手当の支給を受けようとする社員は、会社の定める方法により申請又は報告を行わなければならない。
2.申請又は報告に当たっては、次の各号に掲げる事項を行うものとする。
1.対象となる購入品又は利用内容を明らかにすること
2.購入した物品又は使用シーンの写真を撮影し、所定のSlackチャンネルに投稿すること
3.会社から求められた場合には、領収書、レシートその他支出内容を確認できる資料を提出すること
3.会社は、申請内容、投稿内容又は提出資料を確認のうえ、支給の可否を決定するものとする。
(支給時期)
第7条 おしゃれ手当の支給時期は、会社が別途定める給与支給日その他会社が指定する日とする。
2.月の途中で入社、休職、退職その他の事由がある場合の取扱いは、会社が別途定めるものとする。
(投稿に関する留意事項)
第8条 社員は、Slackへの写真投稿に当たり、他の社員その他第三者の肖像権、プライバシーその他の権利利益を侵害してはならない。
2.社員は、公序良俗に反する内容、会社の信用を害する内容その他不適切な内容を投稿してはならない。
3.会社は、投稿内容が不適切であると認めた場合には、当該投稿の削除、修正その他必要な措置を求めることができる。
(不正受給の禁止)
第9条 社員は、虚偽の申請、他人名義の申請その他不正な方法により、おしゃれ手当の支給を受けてはならない。
2.会社は、不正受給が判明した場合には、既に支給した手当の返還を求めることができる。
3.前項の場合において、会社は、就業規則その他社内規程に基づき必要な措置を講ずることがある。
(制度の変更及び廃止)
第10条 会社は、経営状況、社会情勢、制度運用状況その他の事情を勘案し、本制度の内容を変更し、又は廃止することがある。
2.前項の場合、会社は社員に対し、あらかじめ周知するものとする。
(附則)
第11条 本規程は、令和◯年◯月◯日より施行する。
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「おしゃれ手当制度」のように、社員の満足度向上と社内コミュニケーションの活性化を両立させる制度は、企業の魅力を高めるうえで非常に有効です。
一方で、新しい制度を導入・運用する際には、支給ルールの明確化、運用上の公平性の確保、投稿内容に関するプライバシーや権利への配慮など、事前に整理しておくべきポイントも少なくありません。こうした点をあらかじめ整えておくことで、トラブルの予防につながるだけでなく、万一問題が生じた場合にも、事後に適切かつ迅速な対応が可能になります。
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代表社員 坂本直紀の紹介
坂本 直紀(さかもと なおき)
人事コンサルタント/特定社会保険労務士/中小企業診断士
坂本直紀 社会保険労務士法人 代表社員
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