
【概要】
ある地方銀行グループでは、「介護休業」を、最長3年間まで認める制度を導入しました。
具体的には、次の内容が特徴的です。
1.これまで、介護休業は法律に基づき通算93日間までとされていましたが、新制度ではこの期間を超えて、無給で最長3年間の休業取得が可能となりました。
これにより、介護のために離職せざるを得なかった社員──過去には約10名が離職──の再発を防ぐことが期待されています。
2.また、これまで年5日だった介護休暇を年10日まで拡充し、短期的な介護にも柔軟に対応できます。
3.制度の対象は、グループ全社員です。幅広い層が安心して介護と向き合える仕組みです。
4.さらに、制度利用の相談対応や個別支援を担う専任のケアマネジャーを、正社員として配置しました。現場での支援体制を、強化しています。
【意見・感想・解説】
今回は、介護休業を、最長3年間にする取り組みについてご紹介しました。
介護離職は、企業にとっては貴重な戦力の喪失につながります。
今回の制度は、単なる「休業の延長」ではなく、長期的なキャリア継続を可能にする環境づくりという点で、極めて意義深いといえます。
そして、介護休業期間は無給ですが、職場に籍を残せる制度は、「復職の見通し」が立つ安心感につながります。
さらに、専任ケアマネジャーの配置は画期的といえます。
とても参考になる事例です。
今回の事例を踏まえ、会社(社長)から社員へのメッセージおよび規程例を作成しました。ご参考ください。
会社から社員へのメッセージ例
社員の皆様へ
このたび、介護休業を最長3年間まで延長し、介護休暇も年10日まで拡充する新しい制度を導入いたしました。この制度は、皆さん一人ひとりが、大切なご家族を安心して支えながら、働き続けられる環境を整えるためのものです。
これまで、介護と仕事の両立に悩み、やむを得ず職場を離れることになった方もいらっしゃいました。私たちは、そんな苦渋の選択をこれからの社員の皆さんにさせないために、制度の見直しを決断しました。
会社は、皆さんの人生を支え、共に歩んでいく存在でありたいと願っています。一人で悩まず、制度を活用し、必要なときには頼ってください。そして、復職後には、再び仲間として共に力を合わせていきましょう。
皆さんが安心して働けることが、会社の力になります。今後も、より良い環境づくりに努めてまいります。
代表取締役社長〇〇〇〇
介護休業・介護休暇制度規程例
(目的)
第1条 本規程は、社員が家族の介護を必要とする場合において、仕事と介護の両立を支援し、継続的な就業を可能とするために、介護休業および介護休暇の取得に関する事項を定めることを目的とする。
(定義)
第2条 本規程において「介護」とは、社員が、要介護状態にある家族(配偶者〈事実婚含む〉、父母、子、配偶者の父母、祖父母、兄弟姉妹、孫)の日常生活等を支援・世話することをいう。
(介護休業の取得)
第3条 社員は、家族の介護を行うため、申請により無給で介護休業を取得することができる。
2.法定の介護休業期間は、対象家族1人につき通算93日までとする。ただし、会社は上記を超えて、通算して最長3年間までの無給休業の取得を認める。
3.同一の対象家族につき、介護休業は通算93日まで、3回を上限として分割して取得することができる。 なお、法定期間を超えて会社が認めた休業については、別途会社と協議の上、取得の可否を判断する。
4.法定を超えた介護休業中も社員としての身分は保たれるが、給与の支給は行わない。
(介護休暇の取得)
第4条 社員は、介護の必要がある場合、1年度につき10日を限度として無 給で介護休暇を取得することができる。この介護休暇は、対象家族の人数にかかわらず一律の日数とする。
2.介護休暇は、1日単位または時間単位で取得することができる。
3.介護休暇の取得にあたっては、所定の手続により事前に申請を行うものとする。
(対象者)
第5条 本規程の適用対象は、全社員とする。
(支援体制)
第6条 社員が介護休業・介護休暇を円滑に利用できるよう、会社は可能な範囲で、専任のケアマネジャーを正社員として配置し、制度利用の相談および個別支援にあたるものとする。
2.ケアマネジャーは、社員の状況に応じた助言、情報提供および各種申請手続の支援を行う。
(社内手続き)
第7条 介護休業または介護休暇を取得しようとする社員は、所定の申請書を人事部門に提出し、承認を受けなければならない。
2.申請書には、対象家族の介護の必要性を示す書類を添付することとする。
(不利益取扱いの禁止)
第8条 会社は、介護休業または介護休暇の取得を理由として、当該社員に対して不利益な取扱いをしてはならない。
(附則)
第9条 本規程は、令和◯年◯月◯日より施行する。
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坂本 直紀(さかもと なおき)
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