日曜・祝日に出勤する従業員向けの託児費用補助制度を紹介するイラスト
日曜・祝日の出勤時に利用できる日祝託児費用補助制度を漫画で説明するイラスト
日曜・祝日に出勤する従業員が託児サービスを利用する際、子ども1人につき年間25万円を上限に会社が費用を負担する制度です。

【概要】

ある大手家具の製造・販売会社では、「日祝託児費用補助制度」を導入しています。具体的には、次の内容が特徴的です。

1.日曜・祝日に出勤するために、託児サービスにかかった実費について、子供1人につき、年間25万円を上限として会社が費用負担します。

2.この制度を利用すると、繁忙期などで休日(日曜日や祝日)に出勤しなければならないときに、託児所などに子供を預ける際の費用が補助されます。

【意見・感想・解説】

今回は、託児費用補助制度について取り上げました。

保育園の開園日は、基本的に月~土曜日までが多く、日曜日や祝日をお休みとする保育園は珍しくありません。

一方、いわゆるBtoCで、店舗を構える場合ですと、日曜日や祝日は集客が見込め、書き入れ時となることが多いと思われます。

したがって、子供がいる店舗勤務の社員にとっては、子供を預けるのに苦労しながら勤務を求められることになります。

こうした点を考慮して、日祝に限定して託児費用を補助する制度は、とても理にかなっています。社員の子育て事情に配慮した、制度といえます。

女性活躍支援の観点から、こうした制度も増えてくると思います。注目したいと思います。

今回の事例を踏まえ、会社(社長)から社員へのメッセージおよび規程例を作成しました。ご参考ください。

会社から社員へのメッセージ例

社員の皆様へ

いつも日々の業務に真摯に取り組み、会社を支えていただいていることに、心より感謝申し上げます。

会社の成長は、社員一人ひとりの努力と支えがあってこそ成り立つものです。私たちは、皆様が安心して働き続けられる職場をつくることが、会社として最も大切な責任の一つであると考えています。

とりわけ、子育てをしながら働く社員の皆様にとって、日曜日や祝日の勤務は、仕事の調整だけでなく、ご家庭でのお子様の預け先の確保など、大きな負担を伴うことが少なくありません。会社は、そのような見えにくいご苦労にもきちんと目を向け、少しでも安心して仕事に向き合っていただける環境を整えていきたいと考えています。

その一環として、日曜・祝日の勤務時に利用する託児サービス費用を補助する制度を設けました。この制度は、単に費用を補助するためのものではありません。子育てをしている社員の皆様が、キャリアをあきらめることなく、安心して働き続けられるようにするための、会社からの大切な支援の形です。

どうか一人で抱え込まず、困ったことや不安なことがあれば、遠慮なく会社に相談してください。皆様が安心して力を発揮し、将来にわたって活躍できる環境を整えることが、会社の発展にもつながると信じています。

これからも、社員の皆様とそのご家族を大切にする会社であり続けられるよう努めてまいります。今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。

代表取締役社長〇〇〇〇

日祝託児費用補助制度規程例

(目的)
第1条 本規程は、日曜日および祝日に勤務する社員の育児負担を軽減し、仕事と家庭の両立を支援するため、託児サービス利用費用の補助に関し必要な事項を定めることを目的とする。

(適用対象者)
第2条 本規程は、会社の指示または承認により、日曜日または祝日に勤務する社員であって、当該勤務のために託児サービスを利用する必要がある者に適用する。

(対象となる子)
第3条 本規程において補助の対象となる子は、補助を受けようとする社員が養育する子であって、託児サービスの利用が必要と会社が認めた者とする。

(対象となる託児費用)
第4条 会社は、社員が日曜日または祝日の勤務に伴い利用した託児サービスに係る実費を補助する。
2 対象となる託児サービスは、託児所、一時保育、ベビーシッターその他これらに準ずるサービスであって、会社が適当と認めるものとする。
3 交通費、飲食費、託児に直接関係しない費用その他会社が適当でないと判断した費用は、補助の対象外とする。

(補助額)
第5条 補助額は、子1人につき、年間25万円を上限として、託児サービスに要した実費とする。
2 前項の年間とは、毎年4月1日から翌年3月31日までをいう。
3 会社は、必要に応じて支給額の算定方法を別に定めることができる。

(利用要件)
第6条 社員が本制度の適用を受けるためには、次の各号の要件を満たさなければならない。
1.日曜日または祝日に実際に勤務したこと
2.当該勤務のために託児サービスを利用したこと
3.託児サービスの利用実績および費用の支払いを証明する書類を提出できること

(事前申請)
第7条 社員が本制度の利用を希望するときは、原則として事前に所定の申請書を所属長に提出し、会社の承認を受けなければならない。
2 やむを得ない事情により事前申請ができない場合は、利用後速やかにその理由を付して申請しなければならない。
3 申請に当たっては、勤務予定日、勤務予定時間、利用予定の託児サービスの内容その他会社が必要とする事項を記載しなければならない。

(補助金の請求手続)
第8条 社員は、託児サービス利用後、所定の請求書に領収書その他利用実績を証する書類を添付のうえ、会社に請求するものとする。
2 前項の請求は、原則として利用日の属する月の翌月末日までに行うものとする。
3 会社は、提出書類の内容を確認のうえ、補助額を決定し、給与支給時に支給し、または別途定める方法により支給する。

(会社の確認)
第9条 会社は、本制度の適正な運用のため必要があると認めるときは、申請内容、勤務実績、託児サービス利用状況その他必要事項について確認を行うことができる。
2 社員は、前項の確認に協力しなければならない。

(不正受給の取扱い)
第10条 社員が虚偽の申請、証憑書類の改ざんその他不正な方法により補助を受けた場合、会社は当該補助金の返還を求めることができる。
2 前項の場合において、会社は就業規則その他社内規程に基づき必要な措置を講ずることがある。

(個人情報の取扱い)
第11条 会社は、本制度の運用に当たり取得した社員およびその家族に関する情報を、本制度の運営、審査および支給事務の目的の範囲内で利用し、適切に管理するものとする。

(所管)
第12条 本規程の所管部署は、人事部門または会社が指定する部署とする。
2 本規程の運用に関する必要事項は、所管部署が別に定める。

(附則)
第13条 本規程は、令和◯年◯月◯日より施行する。

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日曜・祝日の勤務時における託児費用補助制度のように、社員の事情に配慮した制度を整備することは、働きやすい職場づくりに直結します。

一方で、こうした制度は、導入時のルール設計が不十分であったり、運用が現場任せになってしまったりすると、かえって不公平感や個別トラブルを招くこともあります。制度の趣旨を活かしながら、トラブルの予防を図り、万一課題が生じた場合にも適切かつ迅速に対応していくためには、実務に即した助言と継続的な運用支援が重要です。

また、子育てとの両立を支える制度をはじめ、社員が安心して働き続けられる環境を整えることは、優秀な人材の確保及び定着の観点からも大きな意味を持ちます。採用が難しい時代だからこそ、制度を整えるだけでなく、実際に使いやすく、現場に根づく形で運用していくことが求められます。

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代表社員 坂本直紀の紹介

坂本 直紀(さかもと なおき)
人事コンサルタント/特定社会保険労務士/中小企業診断士
坂本直紀 社会保険労務士法人 代表社員

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