
【概要】
あるメディア事業を展開する会社では、「ずる休みを笑って許しちゃう制度」を導入しています。具体的には、次の内容が特徴的です。
1.「ずる休みさせて下さい」と正直に申告します。そして、申告が当日でも有給消化に充てることができる制度です。
2.「ずる休み」という遊び心のある言葉を、特徴としています。
【意見・感想・解説】
今回は、「ずる休み制度」について取り上げました。
誰しも、出社することに気乗りがしないときはあるものです。そのときに、「病気である」と噓をついて当日有給するよりは、堂々と「気乗りがしないのでズル休みします。」といってもらえる方がいいですよね。
私見では、1日だけではなく、半日の制度も設けても良いと思います。午前中、調子が出なくてずっと寝ていても、午後には飽きてくるかもしれません。午前にしっかり休めば、午後は気合を入れて仕事することにつながることが期待できます。
処理としては、半休扱いになります。
いずれにしても、「ずる休み」というのは、面白いネーミングです。こうした遊び心も、必要ななのかもしれませんね。
今回の事例を踏まえ、会社(社長)から社員へのメッセージおよび規程例を作成しました。ご参考ください。
会社から社員へのメッセージ例
社員の皆様へ
いつも日々の業務に真摯に向き合い、会社を支えてくださっていることに、心より感謝申し上げます。
仕事に向き合う中で、どうしても気持ちが乗らない日や、少し立ち止まって心と身体を整えたい日があるのは、決して特別なことではありません。むしろ、それは誰にでもある自然なことです。だからこそ会社は、そのような時に無理を重ねるのではなく、正直に申し出てしっかり休める職場でありたいと思っています。
今回の「ずる休み制度」は、そうした考え方を形にしたものです。少しユニークな名前ではありますが、その根底にあるのは、社員の皆様に無理をさせたくないという会社の思いです。気持ちが整わない日に、無理に出社して心身に負担をかけるよりも、思い切って休み、また前向きな気持ちで仕事に戻ってきていただくことの方が、本人にとっても、職場にとっても、より良いことだと考えています。
また、この制度は、会社が社員の皆様を信頼しているという意思表示でもあります。会社として大切にしたいのは、形式的な管理よりも、お互いを尊重し合える関係です。正直に伝えられること、安心して休めること、そしてまた笑顔で戻ってこられること。そうした積み重ねが、働きやすさや安心感につながり、長くこの会社で活躍したいと思える職場づくりにつながると信じています。
どうか一人で無理を抱え込まず、必要な時には安心して制度を活用してください。会社は、これからも社員の皆様を大切にし、その働き続けたいという思いにしっかり応えていきます。
代表取締役社長〇〇〇〇
ずる休み制度規程例
(目的)
第1条 本規程は、社員が心身のリフレッシュを図り、就業意欲の維持向上および働きやすい職場環境の形成を目的として、年次有給休暇の特例的な取得ルールとして「ずる休み制度」について定めるものとする。
(適用対象)
第2条 本規程は、会社に雇用される社員のうち、年次有給休暇を取得する権利を有する者に適用する。
2.前項にかかわらず、会社は、業務の性質その他の事情により必要がある場合は、対象者の範囲を別に定めることがある。
(制度の内容)
第3条 本制度は、社員が「ずる休みさせて下さい」と正直に申告した場合に、当該日を年次有給休暇として取り扱うことができる制度とする。
2.本制度は、当日の申告による取得を認めるものとする。
3.本制度の利用日数は、1日または半日とし、半日の場合は会社所定の半日休暇の単位により取り扱うものとする。
(取得要件)
第4条 社員は、本制度を利用しようとするときは、取得の理由について詳細な説明を要しないものとし、「ずる休み」である旨を率直に申し出ることで足りるものとする。
2.前項の場合であっても、社員は、業務の引継ぎその他必要最小限の連絡を行うよう努めなければならない。
3.本制度の利用は、社員が現に保有する年次有給休暇の範囲内で行うものとする。
(申告方法)
第5条 社員は、本制度を利用するときは、原則として始業時刻までに、上長または会社が指定する方法により申告するものとする。
2.やむを得ず始業時刻までに申告できない場合は、可能な限り速やかに連絡しなければならない。
3.申告の方法は、口頭、電話、メール、チャットその他会社が認める方法によるものとする。
(社内手続き)
第6条 上長は、社員から本制度の申告を受けたときは、利用回数、年次有給休暇の残日数および業務上の必要事項を確認するものとする。
2.上長は、確認後、勤怠管理担当者または人事担当者へ所定の方法により報告し、勤怠上は年次有給休暇または半日休暇として処理するものとする。
3.会社は、本制度の利用状況を適切に管理し、必要に応じて制度運用の見直しを行うものとする。
(不利益取扱いの禁止)
第7条 会社は、社員が本規程に基づき適正に本制度を利用したことを理由として、不利益な取扱いをしてはならない。
(委任)
第8条 本規程に定めのない事項については、就業規則その他会社の定める諸規程によるほか、必要に応じて会社が別に定める。
(附則)
第9条 本規程は、令和◯年◯月◯日より施行する。
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今回ご紹介したように、新しい制度を導入する際には、単に仕組みをつくるだけでなく、社員にどう伝え、どのように運用し、社内に根付かせるかが重要になります。特に、「ずる休み制度」のように柔軟性や遊び心を取り入れた制度は、会社の思いや狙いが適切に伝わらなければ、誤解や運用上の混乱を招くこともあります。
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代表社員 坂本直紀の紹介
坂本 直紀(さかもと なおき)
人事コンサルタント/特定社会保険労務士/中小企業診断士
坂本直紀 社会保険労務士法人 代表社員
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