
【概要】
奈良・桜井労働基準監督署では、開店前準備・閉店後の片づけについて割増賃金を支払っていなかったことにより、組合と理事長等を奈良地検に書類送検しました。具体的には、次の内容が特徴的です。
1.この組合では、始業30分~1時間前に労働者に行わせている掃除などの開店前準備、朝礼、また終業後の伝票処理等につき、労働時間に含めていませんでした。
2.この組合へは、労基署が延べ10回以上わたり、是正勧告をしましたが、改善が不十分として、司法処分に踏み切りました。
3.その後、この組合では、未払い対象者約1,200人に、約1億8,700万円の遡及払いを行っています。
【意見・感想・解説】
回は、開店前準備・閉店後の片づけ残業代未払いで、書類送検された事件を取り上げました。
労働時間については、会社の指揮命令が及んでいるか否かがポイントになります。
今回のような開店前準備行為や閉店後の片づけについては、労働者の自主的な行為か指揮命令に基づくものか否かは、一概に判断することはできませんが、この組合の状況から、指揮命令に基づくものであると労基署は判断したのでしょう。その場合は、当然、労働時間に算入することになります。
さて、今回のポイントは、労基署の再三の是正勧告に従わず、改善しなかったことです。これは、とても問題です。
労働法については、100%完璧に遵守しておくようにすることは確かに望ましいのですが、現実的には、内容も多岐にわたり、さらに法改正もあることから、なかなか難しい面があります。
従って、労基署の調査により、結果的に法違反がみつかり、是正勧告を受けることは、望ましいことではありませんが、場合によっては仕方のない面もあると思っています。ただ、その場合は、速やかに是正し、同様の問題を繰り返さないようにすることが大切です。
また、割増賃金については、このように遡及払いのリスクがあることから、特に注意が必要になります。









