
【概要】
東京労働局は労働基準監督署は過労死・過労自殺など過重労働による健康障害を発生させたとして、労災申請が行われた事業場に対する監督指導結果の概要をまとめました。具体的には、次の内容が特徴的です。
1.監督指導実施事業場は107事業場でした。その中で、94事業場(全体の88%)に何らかの法令違反がみつかりました。
2.法違反の中で、最も多いのが労働時間(74%)で、 割増賃金(46%)と続いています。
3.過重労働すなわち1ヶ月の時間外労働が100時間を超えるか、2ヶ月乃至6ヶ月の時間外労働が平均して月80時間を超える労働については、58事業場でこうした実態がありました。
【意見・感想・解説】
今回は、東京労働局における監督指導結果について取り上げました。労働時間や割増賃金についての違反が多く、残業に関する問題が多いことがうかがえます。
まずは、長時間労働については、場合によっては過労死・過労自殺という悲しい結果を生じさせるとともに、割増賃金といった企業において、人件費上昇にもつながる負の側面があるといったことを経営者、人事担当者は、しっかり認識しておく必要があります。
私が、こうしたお話をすると、「社員が自主的に頑張っている。だから、会社としても、それを抑えるのは難しい」といったお話をたまに聞くことがあります。
ただ、それは、間違った判断です。社員が頑張るからといって、会社が過重労働を放置して良い理由にはなりません。
あまり、考えたくもありませんが、社員が自主的に頑張りすぎて無理が生じ、何らかの健康障害、最悪の場合は過労死・過労自殺になってしまったとしましょう。
その場合、家族は、なんと思うでしょうか。会社に対して憎しみの感情が出ても不思議ではないと思います。そうなれば、会社に対しての損害賠償といった訴訟になるかもしれません。
そのときに、「会社は、本人が勝手に頑張ったのだから、会社としては知ったことではない」といった理屈は通らないでしょう。むしろ、適切な労働時間管理ができておらず、安全配慮義務も怠っていたとして厳しく判断される可能性が高いと思われます。
まずは、労働時間の実態を把握すること、そして、過重労働の危険性がみられる社員については、アラートをだし、残業の抑制に努めることが大切になります。









