
【概要】
あるスーパーの店舗で働いていた元社員が、残業代の支払いを求めた訴訟があり、会社が残業代など720万円を支払うことになったことが、元社員の記者会見で明らかになりました。具体的には、次の内容が特徴的です。
1.元社員は、管理監督者扱いとされていました。社員は埼玉県内の店舗で総菜部門担当のマネジャーとして働いてました。
2.元社員は、管理監督者であるにもかかわらず、パートの採用決定の権限もありませんでした。
3.残業は月平均80時間、多い時は100時間を超えましたが、残業代は支払われませんでした。
4.元社員は過去2年分の残業代などの支払いを求めて、東京地裁に提訴しました。裁判所から「原告は管理監督者には当たらないのではないか」と見解が示され、会社側が720万円を支払うことになりました。
【意見・感想・解説】
今回は、名ばかり管理者の問題を取り上げました。私は、以前から、名ばかり管理者については、今後、ますます会社側にとって厳しくなると、よくセミナー等で、説明していました。どうも、その流れになってきたようです。
確かに、以前から名ばかり管理者の問題はありましたが、最近は、ブラック企業という言葉が目につくようになり、労働法におけるコンプライアンス違反が注目されてきました。また、労働基準監督官を主役にしたドラマも放送されており、先日は、名ばかり管理者が取り上げられていました。
そして、今回の記者会見が行われたことを考慮すると、こうした状況下においては、名ばかり管理者における会社側のリスクは高まったといえるでしょう。
そもそも、管理監督者につきましては、労働基準法の時間外労働に関する規定は、労働基準法第41条第2項により、適用されません。そこで、企業は、今回のようにマネージャーや店長等を管理監督者として取り扱い、時間外労働が生じても残業手当を支払わない多くのケースが生じています。
しかし、企業がこのように店長を管理監督者として取り扱えば、必ずしも認められるわけではありません。基本的に、管理監督者の該当性の判断は、次の基準で総合的に判断されます。
1.経営方針の決定に参画しているか
2.労務管理上の指揮権限を有しているか
3.出退勤について厳格な規制を受けず自己の勤務時間について自由裁量を有するか
4.職務の重要性に見合う賃金面での処遇が基本給や手当、賞与等の面でなされているか
管理監督者問題については、このようにハードルが高く、裁判になれば、ほとんどが会社側敗訴しています。
会社側としては、自社の管理監督者について、本当に問題がないか、確認してみるとよいでしょう。









