病院勤務の男性が、上司から時間外勤務の記録訂正を迫られるパワハラ事案を描いたイラスト。東京高裁が未払い残業代と慰謝料の支払いを命じた判決を解説。
病院勤務の男性が、時間外勤務46時間の訂正を上司から迫られた後、東京高裁で未払い手当と慰謝料が認められたパワハラ判決を解説する漫画風イラスト。
病院勤務の男性が、上司の過度な叱責により時間外勤務手当の請求権を放棄させられた事案で、東京高裁は未払い手当と慰謝料30万円を認めました。

【概要】

ある病院に勤務していた男性が、パワーハラスメントを受けたとして、慰謝料などの支払いを求めた判決で、東京高裁は一審判決を取り消し、約56万円の支払いを命じました。具体的には以下の通りです。

1.裁判長は「時間外勤務が多すぎるとして上司から過度の叱責や指導があり、不本意に時間外勤務手当の請求権を放棄させられた」と指摘しました。

2.その結果、未払い手当の一部の支払いや慰謝料30万円を認めました。

3.この男性は、勤務していた2009年4月分の時間外勤務時間について、記載した46時間分を訂正、抹消されました。

【意見・感想・解説】

今回は、パワーハラスメントに関する裁判例を取り上げました。過度の叱責により、時間外労働時間の記録を取り消されたということがトラブルにつながったようです。

まず、上司による過度な叱責です。パワハラは、上司と部下の関係が、最も多いです。今回も上司によるパワハラが問題になりました。まさに、典型的なパターンといえます。

そして、今回は時間外勤務時間の取り消しが特徴的です。判決をみていないので、詳細は把握していないのですが、このように上司が取り消し命令をすることは問題です。

労働基準法では、勤務した時間が法定労働時間を超過した場合は、割増賃金を支払うことになっています。上司が部下の業務の成果等について、仮に不満であったとしても、労働している以上は、労働時間を記録し、先ほどのように、法定労働時間を超過した場合は、割増賃金を支払わなくてはなりません。注意が必要です。