社員の読書費用を全額補助する「知の貯金箱制度」を紹介するイラスト。マンション・住宅企画会社の社員が本を読み、知識を蓄える様子。
社員が読みたい本を会社が全額補助し、業務外の知識も新しいアイデアにつなげる「知の貯金箱制度」の漫画イメージ。

【概要】

あるマンション・住宅の企画会社は、 「知の貯金箱制度」を設けています。具体的には、次の内容が特徴的です。

1.社員が読みたい、と思う本の購入費用を会社が全額補助します。

2.2022年は72.4%の社員が利用しました。計3,225冊、400万円強を会社が負担しました。

3.購入する本のジャンルは業務に関係するものに限定しないこととしています。社員自身の仕事の幅を広げるには、業務以外の知の掛け算でアイデアが生まれるとしています。

【意見・感想・解説】

今回は、知の貯金箱制度について取り上げました。

いわゆる書籍購入補助制度です。とても素晴らしい制度です。

なぜならば、本は私も執筆した経験があるのでわかりますが、本を執筆するのはとても大変です。自分のノウハウを出し惜しみせず、一生懸命書かなければ、出版社の編集者も納得しないでしょうし、そもそも売れません。

従って、本には、まさに著者の「知」が詰まっており、読書はとても有意義です。こうした読書の機会を会社が応援するのですから、社員の仕事の幅を広げることにもつながります。

他にも、以下のように読書に関する様々な事例があります。

●読書感想文で図書カード支給制度

https://sakamoto-jinji.com/hr/unique-benefits/1679/

●読書勉強会で幹部の経営感覚を磨く

https://sakamoto-jinji.com/hr/unique-benefits/1942/

宜しければ、参考にしてください。

今回の事例を踏まえ、会社(社長)から社員へのメッセージおよび規程例を作成しました。ご参考ください。

会社から社員へのメッセージ例

社員の皆様へ

いつも日々の業務に真摯に向き合い、会社を支えてくださっていることに、心より感謝申し上げます。

当社は、社員一人ひとりの成長こそが、会社の成長の原動力であると考えています。だからこそ、会社は皆様を何よりも大切な存在として考え、安心して働き続けられる環境づくりに力を入れています。

今回の「知の貯金箱制度」も、その思いから生まれた制度です。社員の皆様が「読んでみたい」「学んでみたい」と感じた本に自由に触れられるよう、会社がその費用を全額補助することで、学びの機会をしっかりと支えたいと考えています。

学びは、今の仕事に直接役立つ知識だけに限られるものではありません。業務とは一見関係のない分野の本を読むことが、新しい視点や発想を生み、結果として仕事の幅を広げ、大きな価値につながることがあります。そうした知の積み重ねは、皆様自身の成長だけでなく、会社全体の未来をより豊かなものにしてくれると信じています。

会社は、目の前の成果だけを求めるのではなく、社員の皆様が長く安心して働き、将来にわたって力を発揮できることを大切にしています。皆様がこの会社で学び、成長し、自分らしく活躍し続けられることこそ、私たちの願いです。

これからも当社は、社員の皆様の挑戦や成長を温かく支え、一人ひとりを大切にする会社であり続けます。どうかこの制度を積極的に活用し、学びの楽しさを広げ、ご自身の可能性をさらに大きく伸ばしていってください。

皆様が安心して働き続けられる職場をつくるため、会社はこれからも全力で応援してまいります。

代表取締役社長〇〇〇〇

知の貯金箱制度規程例

(目的)
第1条 本規程は、社員の自発的な読書活動を支援し、知識の習得、発想力の向上および業務の幅の拡大を図るため、知の貯金箱制度に関し必要な事項を定めることを目的とする。

(適用対象者)
第2条 本規程は、当社に雇用される全社員に適用する。
2 前項の社員には、正社員のほか、会社が認めた契約社員、パートタイマーその他の従業員を含めることがある。
3 適用範囲の詳細は、個別に会社が定める。

(制度内容)
第3条 会社は、社員が自らの意思で選定した書籍の購入費用について、予算の範囲内で全額を補助する。
2 本制度は、社員の知的好奇心を尊重し、会社が学習上有益と認める幅広いジャンルの書籍を対象とする。
3 会社は、本制度の利用促進を通じて、社員の知識の蓄積および新たな着想の創出を支援する。

(対象書籍)
第4条 本制度の対象となる書籍は、社員の学び、教養、発想力の向上その他自己成長に資すると認められるものとする。
2 前項にかかわらず、次の各号に掲げるものは、原則として対象外とする。
1.公序良俗に反するもの
2.会社の信用を害するおそれのあるもの
3.個人的娯楽のみを目的とし、学習または知識向上との関連が著しく乏しいと会社が判断するもの
4.雑誌、定期購読物、電子コンテンツその他書籍に準ずるものであって、会社が対象外と定めるもの

(補助の範囲)
第5条 補助の対象となる費用は、書籍本体の購入代金とする。
2 送料、包装費、ポイント利用分、手数料その他会社が補助対象として不適当と認める費用は、補助の対象外とする。
3 補助額の上限、利用回数その他運用上必要な事項は、別途会社が定めることがある。

(申請手続)
第6条 社員が本制度の適用を受けようとするときは、会社所定の申請方法により、次の事項を明らかにして事前または事後に申請しなければならない。
1.書籍名
2.著者名
3.購入金額
4.購入日
5.購入目的または期待する学びの概要
6.その他会社が必要とする事項
2 申請の時期、様式、添付書類その他の詳細は、会社が別に定める。
3 会社は、申請内容を確認し、必要に応じて補足説明または資料の提出を求めることができる。

(承認および精算)
第7条 会社は、前条の申請内容を審査し、適当と認めた場合に補助を承認する。
2 社員は、会社が必要と認める領収書、購入履歴その他の証憑を提出しなければならない。
3 補助金の支給方法は、精算払いまたは会社が指定する方法による。
4 証憑書類の不備その他やむを得ない事情がある場合の取扱いは、会社が個別に判断する。

(書籍の帰属)
第8条 本制度により購入した書籍の所有権は、原則として社員に帰属する。
2 会社は、社員に対し、購入した書籍の題名、感想、学びの共有その他制度運営上必要な協力を求めることができる。
3 会社は、知見共有の促進を目的として、社員に対し、読後コメント、社内紹介、勉強会での共有等を推奨することがある。

(利用上の留意事項)
第9条 社員は、本制度の趣旨を理解し、誠実かつ適正に利用しなければならない。
2 社員は、購入する書籍の選定にあたり、自身の知識向上、視野拡大および発想力向上に資するよう努めるものとする。
3 社員は、本制度を私的利益のみを目的として利用してはならない。

(不正利用の禁止)
第10条 社員は、虚偽の申請、領収書の改ざん、同一書籍の重複申請その他不正な方法により補助を受け、または受けようとしてはならない。
2 会社は、不正利用が判明した場合、当該補助金の返還を命じることができる。
3 前項の場合において、会社は、就業規則その他社内規程に基づき必要な措置を講ずることができる。

(社内手続き)
第11条 本制度の運営に関する社内手続きは、次のとおりとする。
1.社員は、会社所定の方法により購入申請または購入報告を行うものとする。
2.所属長または会社が指定する担当者は、申請内容を確認し、必要に応じて承認手続きを行うものとする。
3.経理担当部門は、承認済みの申請について証憑を確認のうえ、精算手続きを行うものとする。
4.人事部門その他の所管部門は、制度利用状況を集計し、制度改善に活用するものとする。
5.社内手続きの詳細は、別途運用ルール、申請書その他会社所定の方法により定める。

(所管)
第12条 本規程の所管は、◯◯部とする。
2 本規程の解釈、運用および改廃に関する事項は、所管部門が主管し、必要に応じて関係部門と協議のうえ決定する。

(附則)
第13条 本規程は、令和◯年◯月◯日より施行する。

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代表社員 坂本直紀の紹介

坂本 直紀(さかもと なおき)
人事コンサルタント/特定社会保険労務士/中小企業診断士
坂本直紀 社会保険労務士法人 代表社員

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