全国11拠点を活用したワーケーション制度により、地方拠点への出社やリモートワークを組み合わせて働くDX推進企業の社員イメージ
全国11か所の自社拠点を活用し、地方メンバーとの対面交流を促すワーケーション制度を説明する漫画イラスト
北海道から九州までの全国11拠点を活かし、1〜5日間のワーケーションで他拠点勤務や社員同士の直接交流を実現する制度の紹介。

【概要】

あるDX推進事業を行う会社では、自社拠点を活用した「ワーケーション制度」を導入しています。具体的には、次の内容が特徴的です。

1.この会社では、北海道から九州まで全国11か所に拠点を構えています。

例えば、東京で獲得した案件を地方拠点のエンジニアが担当する等、居住地に捉われない働き方が定着しています。こうした中、「一緒にチームを組んだ○○さんと直接会いたい」等の声が上がりました。

2.そこで、自社拠点を活用した「ワーケーション制度」を導入しました。制度の概要は以下の通りです。

●1~5日の範囲でワーケーション期間を設定します。

●所属とは異なる拠点を一つ定めます。同期間中の過半はその拠点への出社が義務付けられます。

●移動や宿泊に係る費用は個人負担とします。ただし、ワーケーション手当を一律3万円支給します。

【意見・感想・解説】

今回は、自社拠点を活用した「ワーケーション制度」を取り上げました。

テレワークが進んだことにより、業種によっては、場所にとらわれない働き方が可能となりました。労働力人口が減少する中、こうした働き方は増えてくると思われます。

一方で、テレワークですと、コミュニケーションの面で課題が生じます。

そこで、ワーケーションというかたちで、リアルに会う機会を設けることはとても意義があります。遠出をすることで、良いリフレッシュになりますね。

とても参考になる事例です。

今回の事例を踏まえ、会社(社長)から社員へのメッセージおよび規程例を作成しました。ご参考ください。

会社から社員へのメッセージ例

社員の皆様へ

いつも日々の業務に真摯に向き合い、会社を支えてくださっていることに、心より感謝申し上げます。

当社は、社員一人ひとりの存在こそが、会社の成長を支える最も大切な力であると考えています。どの拠点にいても、それぞれの持ち場で責任を果たし、仲間と協力しながら仕事に取り組んでくださっている皆様の努力に、深く敬意を表します。

近年は、働く場所にとらわれない柔軟な働き方が広がり、拠点を越えてチームを組み、仕事を進める機会も増えてきました。その一方で、オンラインだけでは伝えきれない思いや、直接顔を合わせることで生まれる信頼関係の大切さも、あらためて強く感じています。

だからこそ当社では、所属拠点以外の拠点で勤務できるワーケーション制度を通じて、社員同士が直接会い、対話し、理解を深めながら働ける環境を整えてまいります。移動や宿泊にかかる負担を少しでも和らげ、安心して制度を活用していただけるよう、一律3万円の手当を支給することとしました。

この制度は、単に働く場所の選択肢を増やすためだけのものではありません。離れた場所で働く仲間と実際に会い、同じ時間を共有し、互いの考え方や仕事への思いに触れることで、より強いチームワークと安心感を育ててほしいと願っています。そしてそれが、皆様一人ひとりにとって「この会社で長く働きたい」と思える職場づくりにつながることを、私たちは大切にしています。

会社は、社員の皆様の働きやすさ、成長、そして安心して働き続けられる環境づくりを、これからも何より大事にしてまいります。皆様がそれぞれの力を発揮しながら、仲間とのつながりを感じ、前向きに仕事に取り組める会社であり続けたいと考えています。

今後も、社員の皆様の声を大切にしながら、より良い制度と職場環境を整えてまいります。どうかこの制度を有効に活用し、拠点を越えたつながりを深め、安心して長く活躍していただければ幸いです。

代表取締役社長〇〇〇〇

ワーケーション制度規程例

(目的)
第1条 本規程は、社員が所属拠点以外の自社拠点において一定期間勤務し、拠点間の連携強化、業務の円滑な遂行および社員同士のコミュニケーション促進を図るために実施するワーケーション制度について必要な事項を定めるものとする。

(定義)
第2条 本規程において「ワーケーション制度」とは、社員が所属拠点とは異なる自社拠点を利用し、一定期間当該拠点に出社しながら勤務する制度をいう。

(対象者)
第3条 本規程の対象者は、会社が認めた社員とする。
2.対象者の範囲、適用条件その他必要な事項は、会社が個別に判断するものとする。

(利用可能拠点)
第4条 社員は、会社が設置する各拠点のうち、会社が利用可能と認めた拠点をワーケーション先として利用することができる。
2.利用する拠点は、所属拠点とは異なる一つの拠点とする。

(利用期間)
第5条 ワーケーション制度の利用期間は、1日以上5日以内とする。
2.利用期間は、業務の都合、受入拠点の状況その他の事情を考慮して会社が決定するものとする。

(勤務条件)
第6条 社員は、利用期間中の過半について、指定されたワーケーション先拠点に出社しなければならない。
2.利用期間中の始業時刻、終業時刻、休憩時間その他の勤務条件は、原則として就業規則その他会社の定めるところによる。
3.社員は、ワーケーション制度を利用する場合であっても、業務命令、情報管理その他会社の諸規程を遵守しなければならない。

(手当)
第7条 会社は、ワーケーション制度を利用する社員に対し、ワーケーション手当として一律3万円を支給する。
2.前項の手当は、利用に伴う費用負担の一部を補助する趣旨で支給するものであり、実費精算は行わないものとする。

(費用負担)
第8条 ワーケーション制度の利用に伴う移動費、宿泊費その他の費用は、社員の負担とする。
2.前項の定めにかかわらず、会社が特に必要と認めた場合は、別途取扱いを定めることがある。

(利用申請)
第9条 ワーケーション制度の利用を希望する社員は、あらかじめ所定の申請書その他会社が指定する方法により、次の事項を記載して申請し、所属長の承認を受けなければならない。
1.利用希望期間
2.利用希望拠点
3.利用目的
4.業務内容
5.その他会社が必要とする事項
2.会社は、業務運営、受入体制その他の事情を勘案し、利用の可否を決定する。

(利用中の報告)
第10条 社員は、ワーケーション制度の利用期間中、会社から求めがあった場合には、勤務状況その他必要事項を報告しなければならない。

(利用後の手続き)
第11条 社員は、ワーケーション制度の利用終了後、所定の方法により利用実績、業務内容その他会社が必要と認める事項を報告しなければならない。
2.ワーケーション手当の支給時期および支給方法は、会社の定めるところによる。
3.虚偽の申請または報告があった場合には、会社は手当の不支給、返還請求その他必要な措置を講ずることができる。

(禁止事項)
第12条 社員は、ワーケーション制度の利用に際し、次の各号に掲げる行為をしてはならない。
1.申請内容と異なる利用を行うこと。
2.業務に支障を及ぼす行為を行うこと。
3.会社の信用を損なう行為を行うこと。
4.情報漏えいその他情報セキュリティ上問題となる行為を行うこと。

(制度の変更・停止)
第13条 会社は、業務上の必要その他相当の理由がある場合には、本制度の内容を変更し、または運用を停止することができる。

(所管)
第14条 本規程の所管部署は、会社の定める担当部署とする。
2.本規程の運用に関し必要な事項は、所管部署が別に定める。

(附則)
第15条 本規程は、令和◯年◯月◯日より施行する。

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代表社員 坂本直紀の紹介

坂本 直紀(さかもと なおき)
人事コンサルタント/特定社会保険労務士/中小企業診断士
坂本直紀 社会保険労務士法人 代表社員

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