ビョンド勤務制度のイメージイラスト。学び直しや社会活動に取り組む男女と山の上を目指す矢印。
ビョンド勤務制度について説明する社員たちのイラスト。給与やスキルアップの話をする場面。
ビョンド勤務制度では、給与は勤務日数に応じて調整される一方で、スキルアップや成長の機会が得られます。

【概要】

ある製薬会社では、「ビョンド勤務制度」を導入する予定です。具体的には、次の内容が特徴的です。

1.勤務日数は、週3日または週4日勤務とします。固定制かつ上長承認制です。

2.業務量および給与は、勤務日数に応じて3/5または4/5となります。なお、福利厚生や評価については、週5日勤務と同等です。

3.この制度には、活用条件が定められています。複業、学び直し、社会活動、資格取得など、自己成長・自己実現に資する活動に空いた時間を活用するという趣旨になります。

4.制度名の”Beyond”には、「未来を見据え、自分の枠・働き方の枠を超えて成長する」という意味が込められています。

【意見・感想・解説】

今回は、「ビヨンド勤務制度」を取り上げました。

いわゆる週休3日・週休4日に近い制度ですが、単なる勤務日数の削減ではありません。

これまでの週休2日の頃に比べて、自由な日数が1~2日増えたことになります。この増えた時間を、自己成長や社会への還元に充てる“成長投資”として位置づけている点が特徴的です。

一方で、ビヨンド勤務制度の成功のカギは運用面にあると思います。

勤務日数に応じて業務量を3/5・4/5にする考え方を、現場で無理なく実現できるように設計・徹底することが重要です。

もし「給与は減るが仕事は減らない」状態になれば、制度の信頼は崩れてしまいます。

こうした点に留意し、業務の棚卸しや役割設計とセットで適切に運用していくことが望ましいでしょう。

今回の事例を踏まえ、会社(社長)から社員へのメッセージおよび規程例を作成しました。ご参考ください。

会社から社員へのメッセージ例

社員の皆様へ

当社は、社員一人ひとりが自身の可能性を信じ、未来へ向けて前向きに挑戦できる環境づくりを何よりも大切にしています。今回導入を予定している「ビヨンド勤務制度」は、その思いをかたちにした取り組みの一つです。

週3日・週4日勤務という柔軟な働き方を選択できることで、皆さんがご自身の夢や成長、そして社会貢献といった多様な活動に取り組む時間が生まれます。これは決して「勤務を減らすこと」が目的ではありません。むしろ、「皆さんの成長や挑戦を、会社が本気で応援している」ことの証です。

制度の運用にあたっては、業務量やチームへの配慮を丁寧に行い、現場の負担が偏らないよう最大限の配慮を行います。そして、制度を利用する皆さんに対しても、公平な評価や成長の機会を継続して提供してまいります。

この制度が、皆さん自身の人生のステージを一歩進めるきっかけとなり、結果的に会社全体の成長にもつながる——そんな未来を心から願っています。共に「自分らしく働き、自分らしく生きる」文化をつくっていきましょう。

代表取締役社長〇〇〇〇

ビヨンド勤務制度規程例

(目的)
第1条 本規程は、社員が多様な働き方を実現しつつ、自己成長や社会貢献に資する活動を行うことを可能にする「ビヨンド勤務制度」の内容および手続きを定めることにより、会社の持続的成長と社員の自己実現の両立を図ることを目的とする。

(制度の概要)
第2条 ビヨンド勤務制度は、以下の内容を基本とする勤務制度とする。
1.勤務日数は、週3日または週4日とし、固定制とする。
2.勤務日数の選択は、本人の希望および上長の承認を必要とする。
3.業務量および給与は、それぞれ週5日勤務時の3/5または4/5を基準とする。
4.福利厚生、評価、教育訓練等については、週5日勤務者と同等とする。

(対象者および適用条件)
第3条 本制度の利用対象者および適用条件は以下のとおりとする。
1.制度を利用する社員は、勤続年数、勤務成績、所属部署の業務状況等を勘案し、会社が適当と認めた者とする。
2.本制度の利用目的は、複業、学び直し、社会活動、資格取得等、自己成長・自己実現に資する活動に限る。
3.制度利用にあたっては、利用申請書により具体的な目的および活動内容を会社に提出し、上長および人事部の承認を得なければならない。

(手続き)
第4条 本制度の利用申請および変更・終了に関する手続きは、以下のとおりとする。
1.利用希望者は、所定の申請書を提出し、上長および人事部の承認を受けるものとする。
2.制度の利用開始日は、会社が別に定める日とする。
3.制度の変更・終了を希望する場合は、原則として1か月前までに申請すること。
4.業務上の都合等により、会社は制度利用の開始、継続、終了を判断することができる。

(業務設計と運用)
第5条 会社は、本制度を適切に運用するため、以下の事項に努める。
1.勤務日数に応じた業務量の明確化および役割設計を行うこと。
2.業務の棚卸しや分担の見直しを通じて、現場の負担が過剰とならないよう配慮すること。
3.利用者および上長に対して、制度趣旨および運用方法に関する研修・説明を実施すること。

(制度の見直し)
第6条 本制度は、運用状況や社会情勢の変化等を踏まえ、適宜見直しを行うものとする。

(附則)
第7条 本規程は、令和◯年◯月◯日より施行する。

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代表社員 坂本直紀の紹介

坂本 直紀(さかもと なおき)
人事コンサルタント/特定社会保険労務士/中小企業診断士
坂本直紀 社会保険労務士法人 代表社員
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