
【概要】
ある介護サービス事業会社では、「子連れ・孫連れ出勤制度」を導入しています。具体的には、次の内容が特徴的です。
1.子連れ・孫連れ出勤制度は、やむを得ない事情がある場合に、子どもや孫を連れて出勤することを認めるものです。
2.たとえば、
- 夕方に会議があるので、一度帰宅して子どもを連れてきたい
- 子どもの体調が悪く、保育園に預けられないため職場に連れて行きたい
といったケースで柔軟に利用できます。
3.もともとは、「子連れ出勤制度」という名称でした。幅広い世代の従業員が働く中で、「孫を連れて来られる環境も必要ではないか」という声が出てきました。そこで、「子連れ・孫連れ出勤制度」へと名称を変更しました。
【意見・感想・解説】
今回は、「子連れ・孫連れ出勤制度」を取り上げました。
特に興味深いのは、「孫連れ」まで認めている点です。
子連れ出勤制度は一定数見られますが、「孫」を対象に含めている企業は極めて珍しいです。
職場の世代構成が多様化しており、従業員の中には(特に40~60代)、子育てがひと段落した後に再び「家族のケア」を必要とする方もいます。
すなわち、孫の世話を担うケースが実際に増えてきています。
「孫連れもOKです」と明示することで、多様な家庭状況を持つ従業員に安心感を与えます。とても参考になる事例です。
今回の事例を踏まえ、会社(社長)から社員へのメッセージおよび規程例を作成しました。ご参考ください。
会社から社員へのメッセージ例
社員の皆様へ
私たちの会社では、「子連れ・孫連れ出勤制度」の導入を通じて、社員一人ひとりの家庭の事情やライフスタイルに寄り添う環境づくりを進めています。
この制度は、やむを得ない状況であっても、安心して働き続けられるようにという思いから生まれました。
とくに「孫連れ」の対象拡大は、世代を超えて社員が活躍する今の時代だからこそ、必要な配慮だと考えています。
私たちは、社員が「ここで働き続けたい」と思える職場づくりを何より大切にしています。
皆さんが安心して力を発揮できるよう、これからも柔軟で温かい職場環境を整えていきます。
皆さんの毎日の努力に心から感謝しています。
どんなときも、皆さんの働きやすさを第一に考える会社であり続けます。
代表取締役社長〇〇〇〇
子連れ・孫連れ出勤制度規程例
(目的)
第1条 本規程は、従業員が育児や家族のケアと仕事を両立できる環境を整備することを目的として、子または孫を職場に連れて出勤することを認める制度について定めるものである。
(定義)
第2条 本規程における「子連れ・孫連れ出勤」とは、従業員がやむを得ない事情により、自らの子または孫を職場に同伴して勤務することをいう。
(利用対象者)
第3条 本制度を利用できる者は、次の各号のいずれかに該当する従業員とする。
1.育児中で一時的に保育先が確保できない者
2.孫の世話を一時的に担う必要がある者
3.その他、会社がやむを得ないと認めた者
(利用条件)
第4条 子連れ・孫連れ出勤を希望する従業員は、以下の条件を満たす必要がある。
1.事前に所属長へ申請し、許可を得ること
2.子または孫の行動・安全管理は原則として本人が責任をもって行うこと
3.他の従業員の業務に支障が出ないよう配慮すること
4.感染症等の恐れがある場合は利用を控えること
(出勤可能時間帯および場所)
第5条 子または孫の出勤可能な時間帯および滞在場所は、業務運営上支障のない範囲で会社が別途定める。
(費用負担)
第6条 本制度の利用に伴う飲食、オムツ等の個人用品にかかる費用は、従業員の自己負担とする。
(禁止事項)
第7条 次の各号のいずれかに該当する場合は、子連れ・孫連れ出勤を禁止する。
1.業務に著しい支障が生じた場合
2.会社の安全衛生に関わる指示に従わなかった場合
3.その他、会社が不適当と判断した場合
(社内手続き)
第8条 子連れ・孫連れ出勤を希望する従業員は、当日または事前に「子連れ・孫連れ出勤申請書(様式第◯号)」を所属長へ提出し、許可を受けなければならない。
2.所属長は、業務影響等を勘案し、可否を判断したうえで、必要に応じて総務部門に報告する。
(附則)
第9条 本規程は、令和◯年◯月◯日より施行する。
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代表社員 坂本直紀の紹介
坂本 直紀(さかもと なおき)
人事コンサルタント/特定社会保険労務士/中小企業診断士
坂本直紀 社会保険労務士法人 代表社員
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