決済システム開発会社のワーキンググループ制度で、社員が週1日を使い採用・研修・ブランディング・海外事業など多様な業務に参加する様子
決済システム開発会社のワーキンググループ制度を説明する漫画で、社員が週1日を使い採用・研修・予算づくり・海外事業・メンタリングなどに参加する様子
主事業の20%にあたる週1日を活用し、部署を超えた有志メンバーが採用や研修、予算づくり、海外事業、メンタリングなどに取り組む制度を紹介しています。

【概要】

ある決済システム開発会社では、「ワーキンググループ制度」を導入しています。具体的には、次の内容が特徴的です。

1.ワーキンググループとは、社員が主事業の他に20%のリソース(つまり週一日)を使用して、まったく異なる業務に参加できる制度です。

2.多様な部署から集まった、有志のメンバーで活動することを特徴としています。

3.活動例としては、新卒採用、新入社員研修、インナーブランディング、予算策定、海外事業、メンター制度などがあげられます。

【意見・感想・解説】

今回は、ワーキンググループ制度を取り上げました。週1日は、まったく別の活動をするという、斬新な取り組みです。

たしかに、週5日勤務、1日8時間、自分の業務ばかりだと飽きてしまうかもしれませんね。

かつてGoogleで「20%ルール」という、似たような制度がありました(現在は許可制)。自主的なプロジェクトを行うもので、Gmail、ChromeOSが生まれたきっかけでもあります。

週1日は、違う部署のメンバーとワイワイガヤガヤしながら、会社にとってメリットのある活動をすることは頷ける面があります。

課題は、「バランス」ですね。週1日で本当にワーキングループが完結するのかどうかということです。

他の日に活動したり、自宅に持ち帰って仕事をするようになれば本末転倒です。本業がおろそかになったり、過重労働のリスクも出てきます。

こうした点に細心の注意を払いながら、対応することが必要です。

今回の事例を踏まえ、会社(社長)から社員へのメッセージおよび規程例を作成しました。ご参考ください。

会社から社員へのメッセージ例

社員の皆様へ

日頃のご尽力に、心より感謝申し上げます。
このたび導入された「ワーキンググループ制度」は、皆さんの創造力と多様な経験を活かす場として、大きな可能性を秘めています。

週1日、部署を越えて新たな分野に挑戦することで、会社の未来を共に創り出していく。そんな柔軟で前向きな取り組みが、きっと皆さん自身の成長にもつながるはずです。
人と人とがつながり、アイデアが生まれ、会社に新たな価値が加わっていく――私たちは、その変化を大切にしたいと考えています。

会社は、社員一人ひとりのチャレンジを応援し、安心して挑戦できる環境づくりをこれからも続けてまいります。
皆さんとともに、もっと活気ある職場を築いていきましょう。

代表取締役社長〇〇〇〇

ワーキンググループ制度規程例

(目的)
第1条 本規程は、従業員が主たる業務以外の社内プロジェクト(以下「ワーキンググループ」という)に参加する機会を設け、イノベーション創出および人材育成を図ることを目的とする。

(定義)
第2条 本規程における用語の定義は、次のとおりとする。
1 「ワーキンググループ」とは、会社が承認したテーマに基づき、部署横断で編成される社内プロジェクトをいう。
2 「20%ルール」とは、従業員が所定労働時間の20%(週1日相当)をワーキンググループ活動に充てる運用をいう。

(適用範囲)
第3条 本規程は、会社に雇用される正社員を原則とし、その他の従業員については会社が個別に定める。

(活動テーマ)
第4条 ワーキンググループのテーマは、次に掲げるものを中心とする。
1 新卒採用および社員研修
2 インナーブランディングおよび社内広報
3 中長期予算策定および事業戦略立案
4 海外事業展開に関する調査研究
5 メンター制度の設計・運用
6 その他、会社が業務上有益と認めるテーマ

(活動時間)
第5条 従業員は、20%ルールに基づき、週1日または累積1日相当の時間をワーキンググループ活動に充当するものとする。
2 活動時間は所定労働時間に含まれ、時間外労働に該当しない範囲で行うものとする。時間外労働が見込まれる場合は、事前に所属長の承認を得なければならない。

(参加申請および承認)
第6条 ワーキンググループに参加を希望する従業員は、所定の申請書または社内システムにより、テーマ、活動目的、予定期間を記載して所属長に申請しなければならない。
2 所属長は、本業への影響、過重労働の有無を勘案し、参加可否を決定する。

(活動計画および報告)
第7条 ワーキンググループは、活動開始時に目標・スケジュールを含む活動計画書を人事部門へ提出し、月次で進捗報告を行うものとする。

(成果物の取扱い)
第8条 ワーキンググループで作成された資料、アイデアその他成果物に関する一切の知的財産権は、会社に帰属するものとする。

(評価および表彰)
第9条 ワーキンググループの成果は、業績評価の加点要素とし、特に顕著な成果を上げた場合は、賞与・表彰等で優遇することがある。

(兼務業務の優先順位)
第10条 従業員は、本業務を第一優先とし、ワーキンググループ活動によって本業務に支障を来してはならない。

(安全衛生および過重労働防止)
第11条 ワーキンググループ活動により、1日8時間、週40時間を超える労働が見込まれる場合は、所属長および人事部門は速やかに是正措置を講じるものとする。

(参加の中止)
第12条 会社は、業務上の必要があるとき、または従業員の健康上の理由その他やむを得ない事情が生じたときは、ワーキンググループ活動の一時停止または中止を命ずることができる。

(改廃)
第13条 本規程の改正または廃止は、取締役会の決議を経て行う。

(附則)
第14条 本規程は、令和◯年◯月◯日より施行する。

 

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代表社員 坂本直紀の紹介

坂本 直紀(さかもと なおき)
人事コンサルタント/特定社会保険労務士/中小企業診断士
坂本直紀 社会保険労務士法人 代表社員
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