
【概要】
ある自動車大手が2015年から2017年にかけて、社員3,421人に対する残業代の未払いが、7億7千万円にのぼることが判りました。具体的には、次の内容が特徴的です。
1. 2016年に男性社員が過労自殺したことが、その後の社内調査で判明しました。この社員は、長時間労働や上司の激しい叱責が原因で過労自殺しています。
2. その後、太田労働基準監督署からこの事業場で他の社員数人にも残業代未払いがあったとして、労働基準法違反で是正勧告を受けました。
3. この自動車大手は、社内全部門の非正規を含めた社員1万7,359人について、2015年7月から2年間に生じた、未払い残業代の有無を調査しました。その結果、残業時間の記録は社員の自己申告のみで、パソコンの使用や出退勤の履歴などとは照合されず、過少申告が常態化していたことが発覚しました。
4. 過少申告の理由について社員の約6割が、「(部署で決めた残業時間の)上限を超えないようにしたため」と回答しました。
【意見・感想・解説】
今回は、残業代未払いに関する内容を取り上げました。
未払い額が7億7千万円とは、すごい金額ですね。社員数が多いことも理由の一つですが、この金額は異常です。労働時間管理の不徹底が、大きな原因といえるでしょう。今回の場合は、過少申告が常態化していることが特に問題です。
今年の4月から、労働基準法の改正がスタートし、さらに長時間労働の規制が強化されます。36協定の様式も変わり、協定で定めた限度時間等を超えないように注意する必要がありますが、「限度時間等を超えてはいけない」ということを意識しすぎるあまり、過少申告が増える可能性が出てきます。
そうなると、会社が気付かないうちに過労となり、さらには過労死や過労自殺につながりかねません。今一度、労働時間管理を徹底し、申告と実態に乖離がないか確認してみるとよいでしょう。
顧問契約サービスのご案内
残業代の未払いや長時間労働は、会社にとって大きな労務リスクとなります。特に、労働時間の自己申告と実態に乖離がある状態を放置してしまうと、未払い残業代の発生だけでなく、過労死・過労自殺、労働基準監督署からの是正勧告、企業イメージの低下といった重大なトラブルにつながりかねません。
また、36協定で定めた限度時間を守ることは重要ですが、その一方で「限度時間を超えないようにするための過少申告」が行われてしまっては、本来把握すべき労働実態を見失ってしまいます。会社としては、労働時間を正確に把握し、問題が小さいうちに改善策を講じることが欠かせません。
顧問契約では、労働時間管理、残業代対応、36協定、就業規則の整備、管理職への指導などについて、トラブルの予防及び事後に適切かつ迅速な対応を行います。日頃から人事労務の体制を整えておくことで、問題の早期発見・早期解決につながります。
さらに、適正な労働時間管理や安心して働ける職場環境の整備は、優秀な人材の確保及び定着にも直結します。労務管理を単なるリスク対応にとどめず、会社の成長を支える基盤として整備していくことが重要です。
労働時間管理や未払い残業代対策、36協定の運用に不安がある場合は、ぜひ顧問契約をご活用ください。
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貴社の人事労務の課題を深く理解し、現場目線で実践的な提案を行います。 - ご相談に対する、迅速な回答
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最新法令を踏まえた規程整備でリスクを軽減します。 - 書式や最新情報のご提供
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代表社員 坂本直紀の紹介
坂本 直紀(さかもと なおき)
人事コンサルタント/特定社会保険労務士/中小企業診断士
坂本直紀 社会保険労務士法人 代表社員
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