渋谷労基署から是正勧告を受けた芸能事務所の裁量労働制と長時間残業問題
芸能事務所で裁量労働制を不適切に適用され、月200時間超の残業代未払いを訴える男性社員
渋谷労基署が芸能事務所に是正勧告。裁量のない業務への裁量労働制適用や、月200時間を超える残業代未払いが問題視されました。

【概要】

人気グループ「いきものがかり」らが所属する、ある芸能事務所が、渋谷労基署から是正勧告を受けていました。具体的には、次の内容が特徴的です。

1.事務所の男性社員につき、裁量のない業務に従事させていたにも関わらず、裁量労働制を適用していました。

2.残業が月200時間を超えていても、残業代の大半は支払われていませんでした。

【意見・感想・解説】

今回は、芸能事務所に対する是正勧告を取り上げました。

芸能事務所ともなれば、マネージャーは長時間労働をしているイメージがありますが、芸能事務所に過重労働の適用除外があるわけではありません。「過重労働対策」の観点から、このような娯楽業の業種の企業も厳しくチェックされていくと思われます。

今回の内容は是正勧告ということなので、自社で適切に是正報告を行い改善していけば、書類送検等にはならない可能性があります。

また、裁量労働制ですが、以前不動産会社で、裁量労働制を不適切に適用されていた営業社員が過労自殺した事件がありました。今回も同様に、長時間労働の実態を裁量労働制の仕組みを隠れ蓑に適用しています。月200時間超の残業ということなので、過労死、過労自殺のリスクが高かったことになります。

対策としては基本的なことになりますが、まずは適切に労働時間管理を行い、「過重労働をしない」という強い意志を持って社内で対策を講じることが必要です。