
【概要】
徳島市のある銀行の事務センターで勤務していた社員が、上司らのパワハラにより自殺したとして、社員の母親が損害賠償を求めていました。徳島地裁の判決は、パワハラそのものは否定した上で、社員の体調や勤務負担への配慮を怠ったとして、約6,100万円の支払いを命じました。具体的には、次の内容が特徴的です。
1.上司らから書類作成のミスなどをたびたび叱責されていました。
2.本人は異動を希望しましたが叶わず、その結果、体重が約15キロ減るなど体調が悪化したのち、自殺を図りました。
3.判決では、上司らの叱責は「業務上相当な指導の範囲内だった」としました。しかしながら裁判所は、「異動を含め勤務状態を改善する必要があったにも関わらず、一時的に担当業務を軽減したのみに留まり、他になんら対応を行わなかった」と指摘しました。
【意見・感想・解説】
今回は、社員の自殺により、損害賠償請求がなされた事件を取り上げました。約6,100万円と高額な賠償額の支払いを命じています。
死因が自殺で、それが業務に起因するとなると、将来の逸失利益や慰謝料等により、企業側にとっては多額の損害賠償となるケースがあります。今回は、まさにそのパターンといえます。
自殺の直前に、体重が15キロ減少していることから、メンタル不調であった可能性が推察されます。一般的に、”不眠”や”体重の急激な変化”は、メンタル不調のサインです。このような状態の時に、無理して勤務を継続すると、メンタルが悪化し、自殺念慮につながってもおかしくありません。企業側も、社員にこうした変化が見受けられたときは安全配慮の観点から、迅速かつ適切に対応すべきです。
また、社員自身もセルフケアが大切になってきます。これまでとは異なる兆候が出ましたら、まずはしっかり休息をとって、心身の改善に努める必要があります。
⚠ 緊急時は 119(救急)/110(警察)
いのちの電話 0570-783-556(24h)
#いのちSOS 0120-061-338(24h・無料)
よりそいホットライン 0120-279-338(24h・多言語)
ハラスメント対策研修のご案内
今回の事例では、裁判所がパワハラそのものを否定した一方で、従業員の体調悪化や勤務負担に対する会社側の配慮不足を認めました。職場においては、叱責や指導が「業務上相当」と判断される場合であっても、従業員の心身の変化に気づき、適切に対応することが求められます。
特に、体重の急激な減少、異動希望、業務への強い負担感などは、メンタルヘルス不調の重要なサインとなります。管理職には、日頃の指導方法だけでなく、部下の状態を把握し、必要に応じて業務調整や配置転換、相談窓口への連携などを行う役割があります。
坂本直紀の研修では、パワーハラスメントの基本知識だけでなく、適切な指導とハラスメントの違い、部下の変化に気づくポイント、相談対応時の留意点、職場内コミュニケーションの改善方法などを、事例を交えながら実践的に学んでいただけます。
ハラスメントのない職場づくりと、従業員が安心して働ける職場環境の整備に向けて、ぜひハラスメント対策研修をご活用ください。
ハラスメント対策研修例(管理職向け)
(1)ハラスメントによるリスク
(2)セクシュアルハラスメントとは
(3)パワーハラスメントとは
(4)妊娠、出産、育児休業等のハラスメントとは
(5)カスタマーハラスメントとは
(6)ハラスメントと労災
(7)ハラスメントをしないために
(8)怒りの感情コントロール
(9)適切な指導
(10)相談対応上の留意点
(11)ハラスメントを受けた場合
(12)ハラスメント防止規程解説
(13)職場内コミュニケーション
(14)グループワーク
(15)まとめ
一緒にハラスメントのない職場づくりを目指しましょう。
研修講師:坂本直紀の紹介
坂本 直紀(さかもと なおき)
人事コンサルタント/特定社会保険労務士/中小企業診断士
坂本直紀 社会保険労務士法人 代表社員
坂本直紀の詳しいプロフィールはこちら
坂本直紀の研修・セミナー実績はこちら
坂本直紀の書籍執筆実績はこちら
坂本直紀の雑誌執筆実績はこちら
坂本直紀のメディア取材実績はこちら









