
【概要】
栃木・大田原労働基準監督署は、あるベーカリー店を経営している会社と代表取締役社長を労働基準法第32条(労働時間)違反の疑いで、書類送検しました。具体的には、次の内容が特徴的です。
1.労働者12人に100時間を超える違法な時間外労働をさせていました。
2.同社のベーカリー店は、テレビで取り上げられたこともある人気店でした。
3.同店では月100時間を限度とする特別条項付き36協定を締結していましたが、12人の労働者に対して協定の限度時間を超える時間外労働を行わせました。
4.さらに、時間外労働は最長の者で1カ月219時間に上っていました。
5.残業代は適正に支払われていました。
6.違反は定期監督で発覚し、2回にわたり指導を行いましたが改善がみられなかったため、書類送検に踏み切りました。
【意見・感想・解説】
今回は長時間の残業による書類送検事件を取り上げました。
今回のポイントは、残業手当を適切に支払っていたにも関わらず、残業による書類送検が発生した点にあります。企業側の、”残業手当という労働対価をきちんと支払っていれば、いくら残業させても大丈夫”という認識は大間違いであることを示唆しています。残業手当も大切ですが、社員の心身の健康も大事だということです。
そもそも月100時間を超える残業ともなれば、過労死、過労自殺のリスクが各段に高くなります。このため、36協定の限度時間超過ということを根拠として、労働基準法第32条違反により、是正勧告となるケースがでてきています。
このように過重労働対策は、大変厳しくなってきているので、その点を十分、ご留意ください。








