
現在、「長時間労働対策」をテーマに連載でお届けしています。
今回も、前回に引き続き「要因別に考える長時間労働削減策」を取り上げます。
【これまでの流れ】
[以前]ムダな時間が発生している状態
↓
[改善後]コスト意識を持ち、継続的に改善を進める
限られた所定労働時間の中で業務を完了させるためには、社員一人ひとりが工夫し、効率的に働く必要があります。そのためには、業務時間中に「集中して働ける環境づくり」が不可欠であり、日常業務に潜むさまざまなムダの排除が求められます。
その第一歩として、「不要な労働時間は、企業にとって不要なコストそのもの」という認識を社員全員が持つことが重要です。
今回は例として、「探し物にかかるコスト」と「会議にかかるコスト」について見ていきます。
(1)探し物コスト
例えば、「1日に書類や文具を探す時間はどれくらいか」という問いに、平均30分という回答が得られたとします。
出勤日数を22日、社員の時給を2,000円、社員数を30名と仮定すると、年間コストは次のように算出できます。
- 30分 × 22日 = 660分(=11時間) … 1か月の探し物時間
- 11時間 × 12か月 = 132時間 … 年間の探す時間
これを金額に換算すると、
132時間 × 2,000円 × 30人 = 年間792万円
探し物に費やした時間は付加価値を生まないだけでなく、この例のように大きな金額の損失につながります。
したがって、探し物をなくす仕組みづくりや環境整備は、優先度の高い改善ポイントとなります。
(2)会議コスト
次に会議コストの例を見てみましょう。
たとえば、時給5,000円のリーダー1名と、時給3,000円のメンバー4名が、3時間の会議を行った場合、
(5,000円 × 1名 + 3,000円 × 4名) × 3時間 = 51,000円(1回の会議コスト)
会議には、人件費だけでなく、会議室の利用費、機材・通信費、資料印刷などの消耗品費も含まれ、想像以上に負担が大きいものです。
そのため、定期的に会議コストを試算し、“コストに見合った成果が得られているか” を確認することが有効です。
会議時間削減のポイントとしては、
- 不要な会議を開かない
- 必要以上に参加者を増やさない
- 会議時間を可能な限り短縮する
といった基本を徹底することが求められます。
次回は、長時間労働削減に取り組む際の「留意点」について解説します。
どうぞ楽しみにお待ちください。
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坂本 直紀(さかもと なおき)
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