
【概要】
厚生労働省は、令和5年に賃金不払いが疑われる事業場に対して労働基準監督署が実施した監督指導(立入調査)の結果をまとめて公表しました。主なポイントは、以下の通りです。
1.令和5年に全国の労働基準監督署が取り扱った賃金不払い事案の件数、対象労働者数および未払い金額は、次のとおりです。
(1)件数:21,349件(前年比818件増)
(2)対象労働者数:181,903人(同2,260人増)
(3)未払い金額:101億9,353万円(同19億2,963万円減)
2.上記の賃金不払い事案のうち、令和5年中に監督署の指導により使用者が賃金を支払い、解決された事例の状況は、次のとおりです。
(1)件数:20,845件(97.6%)
(2)対象労働者数:174,809人(96.1%)
(3)支払われた金額:92億7,506万円(91.0%)
【意見・感想・解説】
今回は、賃金不払いが疑われる事業場に対する監督指導結果について取り上げました。
件数や対象労働者数が増加しており、賃金不払い問題が引き続き深刻であることが伺えます。
この賃金不払いの原因には、以下のようなケースが考えられます。
1.企業による意図的な不払い
資金繰りが厳しい企業が、故意に従業員への賃金を支払わないケース。
2.法令や就業規則の理解不足
経営者や管理者が労働法や就業規則を十分に理解せず、適正な賃金が支払われないケース。
3.残業代や手当の未払い
残業や休日出勤、深夜勤務などに対する割増賃金や手当が適切に計算されず、未払いとなるケース。
4.労働時間の管理が不適切
タイムカードなどの管理が適切でないため、労働時間が正しく記録されず、賃金が未払いとなるケース。
いずれにせよ、賃金不払いは、労働基準法違反に該当します。ですので、企業としては、適切な対応を心掛ける必要があります。
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坂本 直紀(さかもと なおき)
人事コンサルタント/特定社会保険労務士/中小企業診断士
坂本直紀 社会保険労務士法人 代表社員
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