
【概要】
あるリフォーム会社で働く男性が、ノルマ未達成を理由として降格や転勤を命じられたのは違法として、出勤拒否中の賃金などの支払いを求めた訴訟の判決がありました。具体的には、次の内容が特徴的です。
1.会社側は2013年9~10月、月200万円の受注ノルマを達成できなかったとして、固定給を減らす降格や長野支店への転勤を迫りました。
2.男性が応じなかったため、机に他の従業員のパソコンを置き、仕事ができない状況に追い込みました。
3.その後、男性は出勤を拒否しました。会社は14年8月、一転して転勤命令を撤回していました。
4.裁判官は、同社のノルマに関する規定は「過酷で不合理」と指摘しました。また、男性が転勤命令撤回後も出勤しなかったのは、復帰しても同じノルマを課される可能性があったためと判断し、会社側に賃金支払い義務があるとし、1000万円の支払いを命じました。
【意見・感想・解説】
今回は、出勤拒否した社員に対する賃金支払い命令がなされた裁判例を取り上げました。
出勤拒否による労務提供がないわけですから、本来であればノーワークノーペイの原則により、賃金の請求権は発生しません。しかし、裁判例では、過酷なノルマを理由として、出勤拒否の正当性を認め、リフォーム会社に対して賃金の支払いを命じました。いわば、原則の例外を認めたことになります。
確かに、今回のケースは、過酷なノルマや机に他の従業員のパソコンを置く等、会社側の問題行為が目立っています。このように出勤拒否の背景に会社の問題行為がある場合は、出勤拒否の正当性を認められる可能性があることを示唆しています。
いずれにしても、このような問題行為を発生させていはいけません。適切な人事労務管理を行う必要があります。









