2016年雇用保険法等の一部改正案について、育児休業・介護休業・高年齢者雇用・再就職支援などの見直し内容を説明するセミナー風イラスト
2016年雇用保険法等改正案の内容として、雇用保険料率の引き下げ、育児休業対象拡大、介護休業給付率引き上げ、高年齢者就業支援などを漫画形式で解説するイラスト
雇用保険料率の1.0%から0.8%への引き下げ、育児休業の対象拡大、介護休業の分割取得や給付率引き上げ、高年齢者の就業機会確保など、2016年の雇用保険法等改正案のポイントをわかりやすく紹介しています。

【概要】

1月29日に雇用保険法等の一部を改正する法律案が閣議決定され、国会に提出されました。具体的には、次の内容になります。

1.失業等給付に係る保険料率の見直し
雇用保険の財政状況等を勘案し、失業等給付に係る雇用保険料率を引き下げます。〔現行1.0%→0.8% 〕

2.育児休業・介護休業等に係る制度の見直し
(1) 多様な家族形態・雇用形態に対応するため、①育児休業の対象となる子の範囲の拡大(特別養子縁組の監護期間にある子等)、②育児休業の申出ができる有期契約労働者の要件(1歳までの継続雇用要件等)の緩和等を行います。
(2) 介護離職の防止に向け、①介護休業の分割取得(3回まで、計93日)、②所定外労働の免除制度の創設、③介護休暇の半日単位取得、④介護休業給付の給付率の引上げ〔賃金の40%→67%〕等を行います。

3.高年齢者の希望に応じた多様な就業機会の確保及び就労環境の整備
シルバー人材センターにおける業務について、都道府県知事が市町村ごとに指定する業種等においては、派遣・職業紹介に限り、週40時間までの就業を可能とします。

4.その他
(1) 妊娠した労働者等の就業環境の整備
妊娠、 出産、 育児休業・介護休業等の取得等を理由とする上司・同僚等による就業環境を害する行為を防止するため、事業主に雇用管理上必要な措置を義務づけます。

(2) 雇用保険の就職促進給付の拡充
・失業等給付の受給者が早期に再就職した場合に支給される再就職手当の給付率を引き上げます。
[支給日数:1/3以上を残した場合 残日数の50%→60% 2/3以上を残した場合 残日数の60%→70%]
・「求職活動支援費」として、求職活動に伴う費用(例:就職面接のための子の一時預かり費用)について新たに給付の対象とします。

【意見・感想・解説】

今回は、雇用保険法等の一部を改正する法律案を取り上げました。雇用保険料率が引き下がり、基本的に給付を増額する内容であり、マタハラの規制等も、現在の状況から必要なことですので、おそらく与野党間で、さほど争うことはなく、今国会で成立すると予想しています。詳細は、改正法が成立しましたら、省令、指針等で明らかになると思いますので、そのときに、しっかり確認する必要があります。

今回の改正は、1億総活躍社会の実現を念頭に置いたものです。すなわち、女性や高齢者の就業の促進、介護離職の防止や再就職の促進を図っています。

また、マタハラについては、安倍首相が「法的な措置を含め、企業の取り組み強化策を進める」と発言したこともあり、今回の改正にマタハラ防止に関する内容が盛り込まれています。マタハラ防止については、トラブルが増加してきていますので、改正法が成立する前であっても、企業としては積極的に対策を講じるべきでしょう。

国会の動向を注目していきたいと思います。