
【概要】
ある物流会社では、社員の健康増進に取り組んでいます。具体的には、次の内容が特徴的です。
1.保健師によるセミナーを実施しています。テーマは生活習慣に関連するもので、食事に関係する内容が比較的多くなっています。
2.また、このセミナーでは、10問の2択クイズを採り入れています。参加者に、”自分ゴト”として、正解を考えてもらう機会を設け、知識の定着を図ります。このような工夫により、社員の生活スタイルの改善を促していきます。
3.クイズ例は、以下の通りです。
[Q.]夕食は何時までに済ませると、内臓脂肪は増えにくい?
A. 20時 OR 21時
[Q.]消化力が活発になるのはいつ?
A. 夕方 OR 昼
【意見・感想・解説】
今回は、健康増進策として、クイズを採用しているケースを取り上げました。
健康増進に関するセミナーに参加しても、なかなか気持ちが入らないこともあります。そうしたときに、今回のように、参加者に考えてもらう機会を作ることが有効です。私もセミナーや研修で、よく実施しています。
さらに参画意識を高めるには、グループワークも有効です。グループ内で意見を出し合い、まとめて発表することで、さらに気持ちが入る傾向があります。
今回の事例を踏まえ、会社(社長)から社員へのメッセージおよび規程例を作成しました。ご参考ください。
会社から社員へのメッセージ例
社員の皆様へ
いつも日々の業務に真摯に取り組んでいただき、心より感謝申し上げます。
物流の現場は、毎日の積み重ねによって成り立っています。安全に、確実に、そして丁寧に仕事を進めていただいている皆様一人ひとりの存在が、会社を支える何より大切な力です。会社は、社員の皆様とそのご家族の安心、そして健やかな毎日をとても大切に考えています。
このたび実施している保健師による健康増進セミナーは、単なる福利厚生の一環ではありません。皆様がこれからも元気に働き、安心して長く活躍していただくための大切な取り組みです。特に、毎日の食事をはじめとした生活習慣は、健康状態に大きく関わる身近で重要なテーマです。
今回のセミナーでは、10問の2択クイズを取り入れ、楽しみながら学べる工夫を行っています。知識を一方的に受け取るだけではなく、「自分ならどうだろう」と考えることで、健康への意識を高め、日々の生活改善につなげていただきたいと考えています。
健康は、仕事の土台であり、人生を支える大切な財産です。会社は、社員の皆様が心身ともに健康で、自分らしく働き続けられる職場環境を整えていきたいと考えています。皆様が安心して働き、成長し、将来にわたってこの会社で力を発揮したいと思えることが、私たちにとって何より大きな願いです。
これからも会社は、社員の皆様を大切にし、働きやすく、支え合い、学び合える職場づくりを進めてまいります。ぜひ今回のセミナーを、自分自身の健康を見つめ直すきっかけとして前向きに活用していただければ幸いです。
皆様の健康と活躍が、会社の未来をつくります。今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。
代表取締役社長〇〇〇〇
健康増進セミナー実施規程例
(目的)
第1条 本規程は、社員の健康保持および増進を図るため、生活習慣、とりわけ食事に関する知識の習得および健康意識の向上を目的として実施する健康増進セミナーについて必要な事項を定めるものとする。
(対象者)
第2条 本規程の対象者は、会社に勤務する全社員とする。
(セミナーの内容)
第3条 会社は、保健師による健康増進セミナーを実施する。
2.セミナーのテーマは、生活習慣の改善に関する事項とし、特に食事に関連する内容を中心とする。
3.セミナーでは、社員が健康に関する知識を実践につなげられるよう、日常生活に即した内容を取り扱うものとする。
(実施方法)
第4条 セミナーは、集合形式、オンライン形式またはこれらを組み合わせた方法により実施することができる。
2.実施日程、場所、受講方法その他必要な事項は、会社が事前に対象者へ通知する。
3.会社は、業務運営の状況を踏まえ、実施回数および実施時間を定めるものとする。
(クイズの実施)
第5条 会社は、セミナーにおいて、参加者が健康に関する知識を自分自身の生活に結び付けて考えることができるよう、10問の2択クイズを実施する。
2.クイズは、参加者の理解促進および知識の定着を図ることを目的として行う。
3.クイズの内容は、生活習慣および食事に関する事項のうち、社員が日常的に実践しやすいテーマを選定するものとする。
(クイズの例示)
第6条 クイズの例は、次のとおりとする。
1.夕食は何時までに済ませると、内臓脂肪は増えにくいか。
A.20時 又は 21時
2.消化力が活発になるのはいつか。
A.夕方 又は 昼
3.前項の例示は参考であり、実際の出題内容はセミナーの趣旨に応じて会社または担当保健師が定めるものとする。
(参加促進)
第7条 会社は、社員の健康意識を高めるため、セミナーへの積極的な参加を促すものとする。
2.参加者が主体的に考え、学ぶことができるよう、クイズ形式その他の工夫を取り入れるものとする。
3.会社は、必要に応じて、グループワーク、意見交換または発表の機会を設けることができる。
(所属長の役割)
第8条 所属長は、部下社員に対し、本セミナーの趣旨を周知し、参加しやすい職場環境の整備に努めるものとする。
2.所属長は、業務に支障のない範囲で、対象社員の参加について配慮するものとする。
(社内手続き)
第9条 セミナーの実施にあたっては、人事担当部門または健康管理担当部門が企画立案、日程調整、参加案内、出欠確認その他必要な事務を行うものとする。
2.社員は、会社が指定する方法により、参加申込みまたは出欠回答を行うものとする。
3.欠席する場合は、あらかじめ所属長および担当部門へ届け出るものとする。ただし、やむを得ない事情がある場合は、事後の届出を認めることがある。
4.会社は、必要に応じて、受講状況の確認、アンケートの実施その他運営上必要な手続きを行うことができる。
(個人情報等の取扱い)
第10条 会社は、セミナーの運営にあたり取得した参加情報その他の情報について、法令および社内ルールに従い適切に取り扱うものとする。
2.セミナーにおいて知り得た個人の健康に関する情報については、本人のプライバシーに十分配慮するものとする。
(委任)
第11条 本規程に定めのない事項その他セミナーの実施に関し必要な事項は、会社が別に定める。
(附則)
第12条 本規程は、令和◯年◯月◯日より施行する。
顧問契約サービスのご案内
社員の健康増進は、福利厚生の充実にとどまらず、企業経営の安定に直結する重要なテーマです。今回のように、保健師によるセミナーを実施し、社員がクイズ形式で主体的に学べる機会を設けることは、生活習慣の改善を促し、心身の不調を未然に防ぐうえで有効な取組みといえます。
一方で、こうした施策を継続的かつ効果的に進めるためには、健康経営の観点だけでなく、人事労務管理の視点を踏まえた運用が欠かせません。健康施策の進め方によっては、社内周知の方法、参加の取扱い、個人情報への配慮、所属長の関わり方など、さまざまな実務上の検討が必要になります。顧問契約をご利用いただくことで、こうしたトラブルの予防及び事後に適切かつ迅速な対応が可能となり、安心して制度運用を進めることができます。
また、社員の健康を大切にする姿勢は、働きやすい職場づくりにつながり、結果として優秀な人材の確保及び定着にも大きく寄与します。人材採用が厳しさを増す中で、「社員を大切にする会社」であることを具体的な取組みとして示すことは、企業の大きな強みになります。
弊所では、健康増進施策を含めた人事労務管理について、実情に応じた助言、規程整備、運用支援を通じて、企業の継続的な成長をサポートしております。人事労務に関する不安や課題がございましたら、ぜひ顧問契約をご活用ください。
顧問契約の内容
- 定期対面による、親身な対応
貴社の人事労務の課題を深く理解し、現場目線で実践的な提案を行います。 - ご相談に対する、迅速な回答
メール・電話・オンラインなど最適な手段でスピーディーに対応します。 - 就業規則の作成・改定
最新法令を踏まえた規程整備でリスクを軽減します。 - 書式や最新情報のご提供
実務でそのまま使えるフォーマットと最新トレンドを随時共有します。
代表社員 坂本直紀の紹介
坂本 直紀(さかもと なおき)
人事コンサルタント/特定社会保険労務士/中小企業診断士
坂本直紀 社会保険労務士法人 代表社員
坂本直紀の詳しいプロフィールはこちら
坂本直紀の研修・セミナー実績はこちら
坂本直紀の書籍執筆実績はこちら
坂本直紀の雑誌執筆実績はこちら
坂本直紀のメディア取材実績はこちら









