出版社社員による侮辱メールや深夜の私的な質問電話で苦しむフリー編集者を描いた、パワハラ・名誉感情侵害・損害賠償判決の解説イメージ
出版社社員がフリー編集者に侮辱的なメールを関係者へ送信し、深夜に年齢や出身地を尋ねる不要な電話をかけたパワハラ事案の漫画イメージ
東京地裁は、出版社社員による「考え方が非常識」「親の顔が見たい」といったメールや、深夜の私的な質問電話が業務の適正範囲を超えると判断しました。

【概要】

ある出版社から書籍編集業務を委託されていた元フリー編集者の女性が、出版社に対し、損害賠償を求めて提訴しました。具体的には、次の内容が特徴的です。

1.東京地裁は、フリー編集者に対する出版社社員の言動が、「業務の適正な範囲を超えていた」として、約60万円の支払いを命じました。

2.この社員は業務遅延を理由に、「考え方が非常識」「親の顔が見たい」といったメールを送ったり、深夜に不要な電話で年齢・出身地を尋ねていました。

3.これらのメールは、業務関係者にも送信されていました。
裁判所は、女性の名誉感情が傷つけられたと判断しました。

【意見・感想・解説】

今回は、出版社の社員による、不適切な言動を取り上げました。

業務委託契約という立場にある、フリー編集者に対して行われたハラスメント行為です。

まさに、この事例は「立場の強い側から弱い側への威圧的な言動」という構図が見られます。

すなわち、カスハラとも通じる面があります。

発注側(いわゆる顧客)が優越的地位を背景に、受注者に社会通念上不適切な言動を行い、就業環境が害されています。

企業は契約パートナーやフリーランスに対しても、社員と同様に相手を尊重し、適切なコミュニケーションをすることが求められます。

カスハラについては、今後、法改正の動きもありますので注意が必要です。

ハラスメント対策研修のご案内

本事例のように、業務委託先やフリーランスに対する不適切な言動も、重大なハラスメント問題となります。立場の違いを背景とした威圧的な対応は、企業の信頼や評価を損ねるリスクを伴います。

このようなトラブルを未然に防ぐためにも、社員・管理職を対象とした「ハラスメント対策研修」の実施が重要です。カスタマーハラスメントを含めた多様なハラスメント事例を取り上げ、適切な対応やコミュニケーションのあり方を学ぶことができます。

ぜひ、貴社でもハラスメント防止の取り組みを強化し、安心・安全な職場環境の整備にお役立てください。

ハラスメント対策研修例(管理職向け)

(1)ハラスメントによるリスク
(2)セクシュアルハラスメントとは
(3)パワーハラスメントとは
(4)妊娠、出産、育児休業等のハラスメントとは
(5)カスタマーハラスメントとは
(6)ハラスメントと労災
(7)ハラスメントをしないために
(8)怒りの感情コントロール
(9)適切な指導
(10)相談対応上の留意点
(11)ハラスメントを受けた場合
(12)ハラスメント防止規程解説
(13)職場内コミュニケーション
(14)グループワーク
(15)まとめ

一緒にハラスメントのない職場づくりを目指しましょう。

研修講師:坂本直紀の紹介

坂本 直紀(さかもと なおき)
人事コンサルタント/特定社会保険労務士/中小企業診断士
坂本直紀 社会保険労務士法人 代表社員
坂本直紀の詳しいプロフィールはこちら
坂本直紀の研修・セミナー実績はこちら
坂本直紀の書籍執筆実績はこちら
坂本直紀の雑誌執筆実績はこちら
坂本直紀のメディア取材実績はこちら