カスハラの定義を解説する人事労務記事のアイキャッチ画像。職場で顧客から強い口調で責められ、困惑する従業員と見守る上司のイラスト。
カスハラの定義の3要件を解説する人事労務記事のアイキャッチ画像。顧客の常識を超えた要求や不適切な言動により、従業員の就業環境が害される場面を漫画形式で表現。
カスハラに該当するかは、顧客等の言動が社会通念上許容される範囲を超え、労働者の就業環境を害しているかが重要な判断要素になります。

カスハラの定義について

前回に引き続き、今回は厚生労働省の報告書などを参考にしながら、カスハラ(カスタマーハラスメント)の定義の詳細について解説します。

カスハラの定義の3要件

報告書に示された内容から、カスハラは次の3つの条件をすべて満たす場合に該当するとされています。

  • 職場において、顧客・取引先・施設利用者など、事業に関わる者の言動であること
  • 業務の性質や状況を踏まえて、社会通念上許容される範囲を超えていること
  • 労働者の就業環境が害されていること

それぞれを順に見ていきます。

職場での顧客や利用者等の言動

・「顧客」には、実際に利用している人だけでなく、将来的に顧客となる可能性のある人も含まれます。
・「施設」には、駅・空港・病院・学校・福祉施設・公共施設など、多様な場が想定されます。
・「利害関係者」には、法的に関わる人だけでなく、例えば近隣住民など、事実上関係がある人も含まれると考えられます。

社会通念上、相当性を欠く言動

・顧客や取引先が権利を濫用し、行き過ぎた対応を求めることが該当します。
・契約上、または常識的に見て不当といえる要求や、不適切な手段・態様がこれにあたります。
・なお、事業者側の対応に不備があり、それがきっかけとなって顧客の不満が高まる場合もあるため、状況の全体像を踏まえた判断が必要です。

労働者の就業環境が害される場合

・顧客等の言動により、労働者が身体的・精神的に苦痛を感じ、働く環境が不快なものになることがポイントです。
・その結果、能力発揮に深刻な悪影響が出るなど、看過できない支障が生じるケースが対象となります。
・判断の基準は「平均的な労働者の感じ方」であり、客観的に見て妥当かどうかが重視されます。
・繰り返し行われる場合はもちろん、強い苦痛を与える言動であれば、1度でも就業環境を害すると評価され得ます。

次回の予告

次回は、想定されるカスハラに関して、事業主に求められる雇用管理上の措置義務について解説します。
ぜひご期待ください。

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研修講師:坂本直紀の紹介

坂本 直紀(さかもと なおき)
人事コンサルタント/特定社会保険労務士/中小企業診断士
坂本直紀 社会保険労務士法人 代表社員
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