バックパッカー採用制度により1か月の長期休暇で海外旅行ができる家具通販会社の採用イメージ
バックパッカー採用制度で年1回約1か月の長期休暇が取れる家具通販会社の採用説明イメージ
家具通販会社のバックパッカー採用制度を紹介するイラスト。バックパッカー経験者や志望者を採用し、勤続6年半で有給休暇最大20日と土日祝を組み合わせることで、年1回約1か月の海外旅行が可能になります。

【概要】

ある家具の通販会社では、バックパッカー採用制度を導入しています。具体的には、次の内容が特徴的です。

1.バックパッカー経験者またはバックパッカーの志望者を採用します。

2.この社員は年に一度、約1か月のバックパック旅行ができます。具体的には、勤続年数が6年半経った頃には、有給休暇だけで最大20日となります。これに祝日と土日を組み合わせると、最大33日以上の連続休暇が取得可能です。このため、年に一度、しっかり海外を旅することができます。

3.旅を通じて培われる「判断力・責任感・柔軟性」を、EC業務や家具製造・販売の現場で活かしてもらうのが狙いの一つです。

【意見・感想・解説】

今回は、「バックパッカー採用制度」を取り上げました。旅行好きの方にとっては、とても魅力的な制度ですね。

また、旅を通じて培われる力(判断力・責任感・柔軟性)を、業務に活かそうとしている点も評価できます。さまざまな想定外の場面に出くわしたときの、臨機応変な対応力も磨かれることでしょう。

一方で、1か月規模の連続休暇は、業務の調整や周囲への負担を考えると、運用が難しい場面もありそうです。

取得する人が特定の社員に偏らないよう、申請ルールや引き継ぎ体制など、運用面での工夫が重要になります。

今回の事例を踏まえ、会社(社長)から社員へのメッセージおよび規程例を作成しました。ご参考ください。

会社から社員へのメッセージ例

社員の皆様へ

当社は、社員一人ひとりの人生や価値観を大切にしたいと考えています。仕事に真剣に向き合うことはもちろん大切ですが、それと同じように、人生の中でしか得られない経験もまた、かけがえのない財産です。

今回ご紹介するバックパッカー採用制度は、まさにその考え方を形にしたものです。旅に出たいという思いを持つ方、すでに旅の経験を通じて多くを学んできた方を、当社は前向きに受け入れ、その挑戦を応援したいと考えています。

異国の地で自ら判断し、責任を持って行動し、ときには予想外の出来事にも柔軟に対応する。そうした旅の中で培われる力は、EC業務や家具の製造・販売の現場においても、必ず大きな力になるはずです。当社は、社員が仕事だけでなく、さまざまな経験を通じて成長していくことを心から期待しています。

また、年に一度、まとまった休暇を活用して海外を旅できる環境を整えることは、社員の皆様を大切にしたいという会社の意思でもあります。しっかり働き、しっかり休み、しっかり人生を味わう。その積み重ねが、仕事への意欲や新しい発想につながり、会社の成長にもつながると私たちは信じています。

もちろん、制度を長く続けていくためには、職場の仲間同士の理解や助け合い、丁寧な引継ぎや業務調整が欠かせません。お互いを思いやりながら支え合うことで、誰もが安心して制度を活用できる職場をつくっていきたいと考えています。

当社は、社員の皆様を単なる働き手としてではなく、会社にとって最も大切な存在だと考えています。皆様が安心して働き、成長し、そして長く活躍していただける会社であり続けること。それが私たちの願いです。

これからも当社は、社員一人ひとりの挑戦と成長を支え、働きがいと人生の充実の両方を実現できる職場づくりに努めてまいります。

代表取締役社長〇〇〇〇

バックパッカー採用制度規程例

(目的)
第1条 本規程は、バックパッカー経験者またはバックパッカー志望者を対象とした採用および休暇付与の取扱いについて定め、当該社員が旅を通じて培う判断力・責任感・柔軟性を、EC業務、家具製造、販売その他当社業務に活かすことを目的とする。

(適用対象)
第2条 本規程は、当社においてバックパッカー採用制度により採用された社員に適用する。
2 前項の対象者は、次のいずれかに該当する者とする。
1.バックパッカー経験を有する者
2.将来的にバックパッカーとして旅行を行う明確な意思を有する者

(採用方針)
第3条 会社は、採用選考にあたり、応募者の旅の経験または志向に加え、当社業務に必要な適性、協調性、責任感および成長可能性を総合的に判断する。
2 バックパッカー経験または志望の有無のみをもって採否を決定するものではない。

(制度の内容)
第4条 会社は、対象社員に対し、年に一度、相当期間のバックパック旅行を行う機会を認めるものとする。
2 当該旅行に伴う休暇は、年次有給休暇を基本とし、これに土曜日、日曜日および祝日を組み合わせることにより、連続した休暇として取得することができる。
3 勤続年数その他の条件に応じ、年次有給休暇が最大20日付与される場合には、土曜日、日曜日および祝日との組合せにより、最大33日以上の連続休暇となることがある。

(休暇取得の原則)
第5条 前条の休暇は、社員の心身のリフレッシュおよび成長機会の確保を目的とする一方、会社の業務運営に支障を及ぼさない範囲で取得することを心掛けることとする。
2 休暇の取得にあたっては、業務の繁閑、所属部署の人員体制等を総合的に勘案し、会社が承認するものとする。

(申請手続)
第6条 対象社員が連続休暇の取得を希望する場合は、原則として開始予定日の2か月前までに、所定の申請書により所属長を経由して会社へ申請しなければならない。
2 申請書には、次の事項を記載するものとする。
1.希望する休暇期間
2.旅行の概要
3.担当業務の引継ぎ計画
4.緊急時の連絡方法
5.その他会社が必要と認める事項

(承認手続)
第7条 所属長は、前条の申請を受けたときは、業務への影響、代替体制の確保状況および引継ぎ内容を確認のうえ、意見を付して会社に上申しなければならない。
2 会社は、休暇取得の可否および取得期間を決定し、本人に通知するものとする。
3 会社は、業務上やむを得ない事情がある場合には、取得時期の変更を求めることがある。

(引継ぎ義務)
第8条 対象社員は、連続休暇を取得するにあたり、担当業務の内容、進捗状況、留意事項等を整理し、所属長が指定する方法により、事前に十分な引継ぎを行わなければならない。
2 所属長は、引継ぎの実施状況を確認し、必要に応じて追加の対応を指示するものとする。

(取得時期の調整)
第9条 連続休暇の取得希望者が特定の時期に集中した場合、会社は、業務運営の円滑化および社員間の公平性を踏まえ、取得時期の変更または分散を求めることができる。
2 会社は、休暇取得者が特定の社員に偏ることのないよう、運用状況を確認し、必要に応じて制度運用の見直しを行うものとする。

(服務上の留意事項)
第10条 対象社員は、旅行期間中においても当社社員としての自覚を持ち、安全確保および法令遵守に努めなければならない。
2 旅行先における事故、疾病その他のトラブルについては、本人が速やかに会社へ連絡するものとする。
3 会社は、業務命令として旅行を命ずるものではなく、旅行に伴う私的費用は本人の負担とする。ただし、会社が別途認めた場合はこの限りでない。

(業務への活用)
第11条 会社は、対象社員に対し、旅行を通じて得た経験、知見および能力を、EC業務、家具製造、販売現場その他の業務改善に活かすよう求めることができる。
2 対象社員は、帰任後、必要に応じて社内共有を行うものとする。

(制度の見直し)
第12条 会社は、本制度の運用状況、業務への影響、利用状況その他必要な事情を勘案し、必要に応じて本規程の内容を見直すことがある。

(附則)
第13条 本規程は、令和◯年◯月◯日より施行する。

顧問契約サービスのご案内

バックパッカー採用制度のように、特色ある人事制度を導入することは、企業の魅力向上や人材確保において大きな効果が期待できます。一方で、制度を継続的に運用していくためには、休暇取得時の業務調整、申請ルールの整備、社員間の公平性への配慮など、実務面での丁寧な対応が欠かせません。

また、制度設計の段階では問題がないように見えても、実際の運用場面では、社員からの不満、現場の負担増、取得時期をめぐる調整など、さまざまなトラブルが生じることがあります。だからこそ、日頃から人事労務の専門家と連携し、トラブルの予防に取り組むとともに、万一問題が起きた場合にも適切かつ迅速に対応できる体制を整えておくことが重要です。

さらに、採用難が続く時代においては、自社ならではの制度や働き方を整え、それを安心して運用できる環境をつくることが、優秀な人材の確保及び定着にもつながります。制度を「作って終わり」にせず、会社の実情に合わせて継続的に見直し、現場に根づかせていくことが、企業の成長にとって大きな意味を持ちます。

顧問契約をご活用いただくことで、こうした人事労務上の課題について、貴社の状況に応じた実践的な助言を継続的に受けることができます。制度設計から運用、見直しまでを一貫してサポートし、安心して働ける職場づくりをお手伝いいたします。

顧問契約の内容

  • 定期対面による、親身な対応
    貴社の人事労務の課題を深く理解し、現場目線で実践的な提案を行います。
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代表社員 坂本直紀の紹介

坂本 直紀(さかもと なおき)
人事コンサルタント/特定社会保険労務士/中小企業診断士
坂本直紀 社会保険労務士法人 代表社員

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