
【概要】
あるコンサルティング会社では、社員が投票しやすいように「選挙タイム制度」を設けています。具体的には、次の内容が特徴的です。
1.選挙期間中は、勤務時間内であっても、最寄りの投票所へ行ける仕組みです。自宅近くの投票所を利用する場合は、投票を済ませてから出社することも認めています。
2.“仕事が忙しくて選挙に行けない”という声から、この制度が導入されました。
3.全社員を対象にしています。
【意見・感想・解説】
今回は、「選挙タイム制度」を取り上げました。
選挙タイム制度は、勤務時間内の投票を認めることで、社員の社会参加を後押しする仕組みです。
会社としても、社会的価値や姿勢を示せる点で、有意義な取組みといえます。
例えば、平日の朝に期日前投票を済ませてから出社する、といった使い方が想定されます。
こうした制度があることで、期日前投票の活用が進み、結果として投票の機会が広がります。
社員にとっても利用しやすく、素晴らしい制度といえます。
今回の事例を踏まえ、会社(社長)から社員へのメッセージおよび規程例を作成しました。ご参考ください。
会社から社員へのメッセージ例
社員の皆様へ
いつも日々の業務に真摯に向き合い、会社を支えてくださって本当にありがとうございます。
今回ご紹介した「選挙タイム制度」は、“忙しくて投票に行けない”という声に正面から向き合い、勤務時間内でも投票に行けるようにした仕組みです。これは単に「時間を取ってよい」という制度ではなく、社員一人ひとりの生活や価値観、社会とのつながりを会社が大切にしたいという意思表示でもあります。
会社は、皆様が安心して働き続けられる環境を整えることを、最も重要な責任の一つだと考えています。仕事が忙しい時期ほど、生活の用事や大切な機会を後回しにしてしまいがちです。だからこそ、こうした制度で“無理を前提にしない働き方”を支え、皆様が心身ともに健やかに働ける状態を守りたいのです。
また、選挙に行くことは社会参加の一つであり、私たちが暮らす社会をより良くしていくための大切な行動です。会社としても、社員の社会参加を後押しし、その自由とプライバシーを尊重する姿勢を明確にすることは、信頼される組織であるために欠かせないと考えています。
制度は作るだけでは意味がありません。使いやすく、使っても気兼ねのいらない空気をつくることが大切です。上長・管理職の皆さんには、業務の調整に協力し、安心して利用できる雰囲気づくりをお願いします。社員の皆さんも、事前申請や時間の範囲などルールを守りながら、遠慮なく活用してください。会社は、皆様が長く働き続けられるよう、これからも現場の声を受け止め、制度や環境を改善していきます。
「ここで働き続けたい」と思える会社は、社員を大切にする姿勢の積み重ねでつくられます。皆様の人生と仕事の両方が前向きに進むよう、会社としてできることを一つずつ増やしていきます。これからも一緒に、よりよい職場をつくっていきましょう。
代表取締役社長〇〇〇〇
選挙タイム制度規程例
(目的)
第1条 本規程は、社員の社会参加を後押しし、選挙(期日前投票を含む)における投票機会を確保するため、勤務時間内の投票等を可能とする「選挙タイム制度」(以下「本制度」という。)の取扱いを定める。
(適用対象)
第2条 本制度は、全社員に適用する。
(利用できる期間)
第3条 本制度を利用できる期間は、選挙の公示日(告示日)から投票日までの期間(以下「選挙期間」という。)および当該選挙の期日前投票が可能な期間とする。
(利用の基本ルール)
第4条 社員は、選挙期間中、勤務時間内であっても最寄りの投票所等へ赴き投票を行うことができる。
2 本制度の利用は、投票のために必要な範囲に限るものとし、移動時間を含め社会通念上相当な時間内で行う。
3 本制度の利用中は、就業規則に定める服務規律を遵守し、投票後は速やかに就業に復帰する。
(出社前の投票)
第5条 社員が自宅近くの投票所等を利用する場合は、投票を済ませてから出社することを認める。
2 前項の場合、社員は所定の始業時刻に遅れることが見込まれるときは、あらかじめ第7条の手続に従い申請する。
(期日前投票の活用)
第6条 会社は、投票機会の確保の観点から、社員が期日前投票を活用しやすいよう配慮する。
2 社員は、業務の繁閑等を踏まえ、可能な範囲で期日前投票の活用に努める。
(社内手続き:申請・承認)
第7条 本制度を利用しようとする社員は、原則として事前に、所属長へ申請し承認を得なければならない。
2 申請は、利用予定日、利用予定時間帯(出社前利用の場合は出社予定時刻)、利用方法(投票日当日/期日前投票、利用する投票所等)を明らかにして行う。
3 やむを得ず事前申請ができない場合は、投票に支障のない範囲で事後速やかに所属長へ申し出て承認を得るものとする。
4 所属長は、業務運営に著しい支障が生じる場合を除き、申請を承認する。
(勤怠の取扱い)
第8条 本制度の利用時間は、勤怠上「選挙タイム」として取り扱う。
2 選挙タイムの記録方法、申請方法および管理方法は、会社が別に定める運用ルールに従う。
3 不正利用が判明した場合は、就業規則に基づき懲戒を含む措置を行うことがある。
(情報の取扱い・プライバシー)
第9条 会社および所属長は、社員の投票先や政治的信条等に関する情報を収集しない。
2 社員は、制度利用にあたり投票先等の申告を求められないものとし、会社は投票行為の秘密を尊重する。
(周知)
第10条 会社は、本制度の内容および手続を社内に周知する。
(改廃)
第11条 本規程の改廃は、会社が行う。
(附則)
第12条 本規程は、令和◯年◯月◯日より施行する。
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代表社員 坂本直紀の紹介
坂本 直紀(さかもと なおき)
人事コンサルタント/特定社会保険労務士/中小企業診断士
坂本直紀 社会保険労務士法人 代表社員
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