東京地裁が男性の育児休業取得を非難する同僚の言動を不法行為と判断したパタハラ訴訟のイメージ
育児休業を取得した整形外科医院の男性従業員が同僚から非難され、東京地裁がパタハラに当たる不法行為と判断した場面
育児休業を取得した男性従業員に対し、同僚が「無責任」「自己中心的」などと非難した事案で、東京地裁は人格的利益を侵害する不法行為に当たると判断しました。

概要

整形外科医院で働く男性従業員が、育児休業の取得に関する同僚の言動が「パタハラ」に当たるとして、院長と同僚に損害賠償を求めました。

具体的には、次の内容が特徴的です。

1.男性は、令和5年10月10日から11月6日まで育児休業を取得し、その後、令和6年1月22日から再度、育児休業に入りました。

同僚は、男性に対して「無責任すぎて言葉も出ません」「自分と家族のことだけ考えているとしか思えない」「自己中心的」などのメッセージを送っていました。

2.東京地裁は、これらのメッセージについて、育児休業という労働者の権利行使に対して非難を加えるものであると判断しました。

そして、男性労働者の人格的利益を侵害する不法行為に当たるとして、院長と同僚に対し、慰謝料と弁護士費用を連帯して支払うよう命じました。

意見・感想・解説

今回は、男性の育児休業に関するハラスメントを取り上げました。

そもそも育児休業は、社員に認められた権利です。

したがって、育児休業の取得者に対して「無責任」「自己中心的」といった言葉を向けてはいけません。

このような言動は、本人の人格を傷つけるだけでなく、育児休業制度の利用を萎縮させる行為にもなります。

確かに、育児休業の取得によって、周囲の社員に業務上の負担が生じることも現実にはあります。

しかし、その不満を育児休業の取得者本人に向けさせてはいけません。

業務の引継ぎや代替要員の確保、業務分担の見直しなどについて、使用者側が適切に対応する必要があります。

会社としては、育児休業の取得者に配慮するとともに、周囲の社員に対しても、取得者を非難する言動がハラスメントに該当するおそれがあることを周知しなければなりません。

ハラスメント対策研修などを通じて、育児休業に関するハラスメントの内容とリスクを、社員に継続的に伝えていくことが重要です。

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育児休業を取得する社員への理解が不足していると、何気ない言葉がハラスメントや損害賠償につながるおそれがあります。

坂本直紀の研修では、育児休業に関するハラスメントの具体例や、管理職・社員が注意すべき言動を分かりやすく解説します。職場全体で正しい知識を共有し、制度を安心して利用できる環境づくりにつなげます。

 

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(1)ハラスメントによるリスク
(2)セクシュアルハラスメントとは
(3)パワーハラスメントとは
(4)妊娠、出産、育児休業等のハラスメントとは
(5)カスタマーハラスメントとは
(6)ハラスメントと労災
(7)ハラスメントをしないために
(8)怒りの感情コントロール
(9)適切な指導
(10)相談対応上の留意点
(11)ハラスメントを受けた場合
(12)ハラスメント防止規程解説
(13)職場内コミュニケーション
(14)グループワーク
(15)まとめ

一緒にハラスメントのない職場づくりを目指しましょう。

 

研修講師:坂本直紀の紹介

坂本 直紀(さかもと なおき)
人事コンサルタント/特定社会保険労務士/中小企業診断士
坂本直紀 社会保険労務士法人 代表社員  坂本直紀の詳しいプロフィールはこちら 坂本直紀の研修・セミナー実績はこちら 坂本直紀の書籍執筆実績はこちら 坂本直紀の雑誌執筆実績はこちら 坂本直紀のメディア取材実績はこちら