令和7年度の精神障害に関する労災補償状況を示すイラスト。職場でのパワハラやセクハラ、顧客からの迷惑行為、仕事量の増加などに悩む会社員と、労災件数の増加を表すグラフ。
令和7年度の精神障害に関する労災補償状況を説明するイラスト。請求件数4,958件、支給決定件数1,082件と、パワハラ、迷惑行為、セクハラ、仕事量の変化など主な要因を示している。
厚生労働省が公表した令和7年度の精神障害に関する労災補償状況。請求件数は4,958件、支給決定件数は1,082件となり、パワハラをはじめとする職場での出来事が主な要因となっています。

概要

厚生労働省では、「令和7年度 業務災害に係る精神障害に関する事案の労災補償状況」を公表しました。

具体的には、次の内容が特徴的です。

1.精神障害の件数

●請求件数:4,958件(前年度比 1,178件の増加)
※うち、未遂を含む自殺件数は、前年度比13件増の215件。

●支給決定件数:1,082件(前年度比 26件の増加)
※うち、未遂を含む自殺件数は、前年度比12件減の76件。

2.出来事別の傾向

支給決定件数での統計値は、以下の順となっています。

1位 上司等から、身体的攻撃、精神的攻撃等のパワハラを受けた … 222件

2位 顧客や取引先、施設利用者等から、著しい迷惑行為を受けた … 127件

2位 セクハラを受けた … 127件 ※2位は同数

4位 仕事内容・仕事量の大きな変化を生じさせる出来事があった … 113件

意見・感想・解説

今回特に注目すべき点は、精神障害に関する労災請求件数が4,958件となり、前年度から1,178件も増加していることです。

労災申請に対する認知が広がり、従業員や家族が申請をためらわなくなったことなどが、背景として考えられます。

出来事別では、パワハラが222件と最も多くなっています。

現在、パワハラ防止措置は、すべての企業に法律で義務付けられています。

それにもかかわらず、依然として多くの職場で問題が発生していることが分かります。

対策として、社員教育や相談窓口の整備、相談後の適切な調査などの仕組みを整える必要があることを示唆しています。

また、顧客や取引先、施設利用者等からの著しい迷惑行為、いわゆる「カスハラ」が127件と2番目に多い点も重要です。

2026年10月1日からは、改正労働施策総合推進法により、事業主にカスハラ対策が義務付けられます。

今回の労災認定状況は、カスハラが労働者に精神障害を発症させ得る深刻な労務問題であることを示しています。

企業は、法改正への対応という観点からも、早急な体制整備が求められます。

ハラスメント対策研修のご案内

ハラスメントによる労災リスクを防ぐためには、制度を整えるだけでなく、管理職や従業員が正しい知識と適切な対応方法を身につけることが重要です。

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(1)ハラスメントによるリスク
(2)セクシュアルハラスメントとは
(3)パワーハラスメントとは
(4)妊娠、出産、育児休業等のハラスメントとは
(5)カスタマーハラスメントとは
(6)ハラスメントと労災
(7)ハラスメントをしないために
(8)怒りの感情コントロール
(9)適切な指導
(10)相談対応上の留意点
(11)ハラスメントを受けた場合
(12)ハラスメント防止規程解説
(13)職場内コミュニケーション
(14)グループワーク
(15)まとめ

一緒にハラスメントのない職場づくりを目指しましょう。

 

研修講師:坂本直紀の紹介

坂本 直紀(さかもと なおき)
人事コンサルタント/特定社会保険労務士/中小企業診断士
坂本直紀 社会保険労務士法人 代表社員
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