
【概要】
今回から、「短日・短時間勤務制度の規定例」について解説します。
今回ご紹介するのは、定年後再雇用など、高年齢者を対象とした規定例になります。
(目的)
第1条 本規程は、満60歳以上の嘱託社員(以下「嘱託社員」という)が、健康状態や生活設計に応じて勤務日数・勤務時間を柔軟に選択可能な「短日・短時間勤務制度」の運用に関し、必要な事項を定めることを目的とする。
<解説>
この制度は、定年後の継続雇用期における健康状態や生活設計等の多様な働き方のニーズに対応しています。
そして、勤務日数・勤務時間を柔軟に選択でき、無理なく働き続けられる就労環境整備を定める点を目的としています。
(適用範囲)
第2条 本規程は、次のいずれかに該当し、会社と雇用契約を締結した者に適用する。
(1)定年到達後に再雇用された者
(2)60歳以上で、新たに嘱託社員として採用された者
<解説>
これにより、嘱託社員という位置づけであり、かつ 60歳以上であることが本制度の適用要件となることが整理されています。
一方、60歳未満の正社員やパートタイマーは本規程の適用対象とはなりません。
(勤務形態の選択)
第3条 嘱託社員は、次の勤務形態から一つを選択できる。
(1)短日勤務:週3日(原則:月・水・金)、1日8時間
(2)短時間勤務:週5日、1日6時間(9:00〜16:00、休憩1時間)
(3)組合せ勤務:週4日、1日5時間(10:00〜16:00、休憩1時間)
2 前項の週の所定労働日数、1日の所定労働時間数、曜日、時間帯は、嘱託社員と所属長と協議のうえ、会社が必要と認めた場合は変更することができる。
<解説>
嘱託社員が選択できる勤務形態を、具体的に定めた規定です。
嘱託社員が健康状態や生活事情に合わせて就労パターンを柔軟に選べるよう、3つのモデル勤務を示しています。
また、第2項により、嘱託社員本人の事情を踏まえ、変更できることも規定しています。例えば、以下のようなケースです。
●通院が継続的に必要となり、出勤日数を調整する場合
●本人の体力・健康状態の悪化に伴い、労働時間をさらに短縮する場合
【意見・感想・解説】
高年齢者の継続雇用では、一律の勤務形態ではなく、健康状態や生活事情に応じた柔軟な働き方を用意することが重要です。短日・短時間勤務制度を明確に規定することで、高年齢者が無理なく働き続けやすくなり、経験豊富な人材の確保・定着にもつながります。
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坂本 直紀(さかもと なおき)
人事コンサルタント/特定社会保険労務士/中小企業診断士
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