
【概要】
ある大学の元財務課長が、管理職として取り扱われていたが、それは名ばかり管理職であり、残業代を支払われなかったとして、大学を運営するある学校法人に未払い賃金など約630万円の賠償を求めた判決です。広島地裁は、時間外手当の支給対象外となる管理監督者に当たらないとし、約520万円の支払いを命じました。具体的には以下の通りです。
1.裁判では、原告には法人事務局長などの上司がいて、業務の大部分で上司の決裁が必要であった。このため、権限は限定的だとしました。
2.出退勤時間についての裁量が限られていたことなども考慮しました。
3.男性は、残業時間は最大で月103時間30分でした。
【意見・感想・解説】
今回は、名ばかり管理職に関する時間外労働に関する裁判を取り上げました。名ばかり管理職につきましては、外食チェーンの店長に関するトラブルが記憶に新しいところですが、このように課長職についても、トラブルになりやすい面があります。
そもそも、名ばかり管理職とは、労基法の管理監督者として、取り扱うことであり、管理監督者につきましては、労働基準法の時間外労働に関する規定は適用されません。
従って、課長=管理監督者として取扱い、残業しても残業手当を支払わないこともありますが、管理監督者としてふさわしい取扱いをしていなければ、このように名ばかり管理職として、認められないことになります。その結果、未払いの残業手当の支払いということになります。
この管理監督者の基準は、主に次の4つを総合的に判断して、行われます。
1.経営方針の決定に参画しているか
2.労務管理上の指揮権限を有しているか
3.出退勤について厳格な規制を受けず自己の勤務時間について自由裁量を有するか
4.職務の重要性に見合う賃金面での処遇が基本給や手当、賞与等の面でなされているか
そして、課長職や店長が、こうした4つの要件を満たすことは難しく、裁判になりますと、ほとんどのケースが、会社側敗訴です。
会社側としては、こうした争いになる前に、問題がないか確認し、適切に対応しておく必要があります。









