子連れ出勤制度を導入する化粧品会社のオフィスで、ママ社員が働きながら子供たちが遊びや書道を楽しむ様子
子連れ出勤制度を導入する化粧品会社で、ママ社員が制度内容を説明し、子供たちが社内の遊び場や書道イベントを楽しむ漫画風イラスト
社員の40%がママ社員の化粧品開発・販売会社では、長期休みなど預け先がない時に子供を連れて出社できる制度を導入しています。

【概要】

あるオリジナルブランドの化粧品開発・販売会社では、「子連れ出勤制度」を導入しています。この会社では、社員の40%がママ社員です。具体的には、次の内容が特徴的です。

1.子供の長期の休みなど、預け先がない場合に、子供を連れて出社できる制度です。

2.社内には、子供が遊べるスペースがあります。

3.書道が得意な社員が子供向けに書道を教えるイベントが行われ、NHKのニュースにも取り上げられました。

【意見・感想・解説】

今回は、「子連れ出勤制度」について、取り上げました。素晴らしい制度です。

化粧品の開発・販売会社ですので、女性社員の活躍は必要不可欠であり、ママ社員が40%も在籍しいます。

こうしたママ社員の子育てに関して、しっかり寄り添った制度だといえます。会社がこのように歩み寄ってくれると、社員もやる気が出ます。会社への帰属意識の醸成及び貢献意欲の拡大につながります。

しかも、NHKにまで取り上げられており、良好な会社のイメージ訴求につながるため、優秀な人材の確保にも寄与します。とても参考になる事例です。

今回の事例を踏まえ、会社(社長)から社員へのメッセージおよび規程例を作成しました。ご参考ください。

会社から社員へのメッセージ例

社員の皆様へ

いつも日々の業務に真摯に取り組み、会社を支えてくださっていることに、心より感謝申し上げます。

当社には、多くのママ社員の皆様が在籍しており、それぞれが仕事と家庭の両立に真剣に向き合いながら、会社の成長に大きく貢献してくださっています。皆様の存在は、当社にとって欠かすことのできない大切な力です。

会社は、社員一人ひとりの人生や家庭を大切にしたいと考えています。仕事に安心して向き合っていただくためには、安心して働ける環境が必要です。とくに、子育て中の社員の皆様にとって、子どもの長期休暇や急な事情で預け先に困る場面は決して少なくありません。そのようなときに、仕事を続けることをあきらめたり、不安を抱えたりすることがないよう、当社は「子連れ出勤制度」を整えています。

子どもを連れて出勤できること、社内に安心して過ごせるスペースがあること、そして社員同士が自然に支え合えることは、単なる制度にとどまりません。そこには、「社員を大切にしたい」「長く安心して働いてほしい」という会社の強い思いが込められています。

さらに、社員の得意分野を活かした書道イベントのように、子どもたちにとっても思い出に残る取り組みが生まれていることを、大変うれしく思います。こうした温かな職場づくりは、社員の皆様だけでなく、そのご家族にとっても安心につながるものであり、当社の大切な文化の一つです。

会社は、これからも社員の皆様が無理なく働き続けられる環境づくりに力を入れてまいります。子育てをしている方も、これから家庭を築いていく方も、誰もが将来に希望を持ちながら、安心して長く活躍できる会社でありたいと考えています。

皆様が「この会社で働き続けたい」と思えること、それが会社にとって何より大切です。会社は、社員の皆様を大切な仲間としてこれからも支え、寄り添い、ともに成長していきます。

今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。

代表取締役社長〇〇〇〇

子連れ出勤制度規程例

(目的)
第1条 本規程は、育児を行う社員が、子どもの長期休暇その他やむを得ない事情により保育先等を確保できない場合において、子どもを同伴して出勤できる制度(以下「子連れ出勤制度」という。)に関し必要な事項を定め、もって社員の仕事と育児の両立支援および継続就業の促進を図ることを目的とする。

(適用対象者)
第2条 本規程は、当社に雇用される社員のうち、現に子を養育している者であって、会社が本制度の利用を適当と認めた者に適用する。

(対象となる子ども)
第3条 本制度の対象となる子どもは、原則として社員が養育する未就学児または小学校在学中の子どもで、会社が安全上および職場環境上支障がないと認めた者とする。
2 会社は、子どもの年齢、健康状態、当日の社内状況その他必要な事情を勘案し、利用の可否を判断することができる。

(利用事由)
第4条 社員は、次の各号のいずれかに該当する場合に、本制度を利用することができる。
1.子どもの夏休み、冬休み、春休みその他の長期休暇中である場合
2.保育所、幼稚園、学童保育その他の預け先を一時的に利用できない場合
3.家庭の事情その他やむを得ない事由により、子どもを同伴して出勤する必要がある場合
4.前各号に準ずる事情があり、会社が相当と認めた場合

(利用申請および承認)
第5条 本制度の利用を希望する社員は、所定の方法により、あらかじめ所属長に申請し、会社の承認を受けなければならない。
2 緊急その他やむを得ない事情がある場合は、当日の申請を認めることがある。
3 会社は、業務遂行、安全確保、他の社員への影響その他の事情を総合的に勘案し、申請の全部または一部を承認しないことができる。

(社内手続き)
第6条 社員は、本制度の利用に際し、次の手続きを行わなければならない。
1.利用希望日、利用時間帯、同伴する子どもの人数および年齢を会社に申告すること
2.子どもの健康状態その他会社が必要とする事項を事前に報告すること
3.到着時および退社時に、所定の受付または所属長への報告を行うこと
4.利用中に体調不良、事故その他の異常が生じた場合には、直ちに所属長または会社の指定する担当者へ報告すること
5.その他会社が必要と認める手続きを行うこと

(利用場所)
第7条 子どもが滞在できる場所は、原則として会社が指定するスペースとする。
2 会社は、社内に子どもが安全に過ごせる遊びスペースその他必要な場所を設けるよう努めるものとする。
3 社員は、会社の許可なく、子どもを執務室、倉庫、危険物保管場所、機密情報を取り扱う場所その他会社が立入りを制限する場所に立ち入らせてはならない。

(利用時の遵守事項)
第8条 本制度を利用する社員は、次の事項を遵守しなければならない。
1.子どもの安全確保および健康管理について第一義的責任を負うこと
2.業務に支障を生じさせないよう努めること
3.他の社員の業務環境を不当に害しないよう配慮すること
4.子どもが他の社員、来客、取引先等に迷惑を及ぼさないよう適切に監督すること
5.社内設備、備品その他の物品を適切に使用すること

(利用の制限または中止)
第9条 会社は、次の各号のいずれかに該当する場合には、本制度の利用を制限し、または中止させることができる。
1.子どもの体調不良その他健康上の問題がある場合
2.職場の安全確保が困難である場合
3.業務運営に重大な支障が生じるおそれがある場合
4.他の社員または来客等に著しい迷惑または不利益が生じるおそれがある場合
5.本規程に違反した場合
6.その他会社が不適当と認めた場合

(社内イベント等)
第10条 会社は、子どもが社内で安心して過ごし、社員とその家族との交流を深めることを目的として、必要に応じて子ども向けの体験活動、学習支援活動その他の社内イベントを実施することがある。
2 前項のイベントの内容、実施方法、参加対象者その他必要な事項は、会社が別に定める。

(費用負担)
第11条 本制度の利用に伴い通常必要となる子どもの飲食物、着替え、日用品その他個人的費用は、原則として社員の負担とする。
2 会社が特に必要と認めた備品または設備に関する費用については、会社が負担することがある。

(免責および損害賠償)
第12条 会社は、故意または重大な過失がある場合を除き、本制度の利用に関連して生じた損害について、その責任を負わない。
2 社員または同伴する子どもが、故意または重大な過失により会社、他の社員または第三者に損害を与えたときは、会社は当該社員に対し必要な措置を求めることができる。

(個人情報および秘密保持)
第13条 社員は、本制度の利用にあたり知り得た他の社員、子ども、取引先その他の個人情報および業務上の秘密を適切に取り扱わなければならない。
2 子どもを同伴する社員は、子どもが業務上の秘密情報に接することがないよう十分に注意しなければならない。

(所管)
第14条 本規程の所管部署は、総務部または会社が指定する部署とする。
2 所管部署は、本制度の円滑な運用に必要な事項について、関係部署と連携して対応するものとする。

(改廃)
第15条 本規程の改廃は、会社が行う。

(附則)
第16条 本規程は、令和◯年◯月◯日より施行する。

顧問契約サービスのご案内

子連れ出勤制度のように、社員一人ひとりの事情に配慮した仕組みづくりは、働きやすい職場環境の整備に直結します。一方で、制度を導入・運用する際には、利用ルールの明確化、安全配慮、他の社員への配慮、就業規則との整合など、実務上の検討事項も少なくありません。

顧問契約をご利用いただくことで、こうした人事労務上のトラブルの予防を図るとともに、万が一問題が生じた場合にも、状況に応じて適切かつ迅速な対応を進めることができます。

また、育児や介護、治療との両立支援など、時代に合った制度を整備し、社員が安心して働き続けられる環境をつくることは、企業の魅力向上につながります。その結果として、優秀な人材の確保及び定着にも大きく寄与します。

人事労務の課題は、法的な正確性だけでなく、現場に合った運用が重要です。制度設計、規程整備、社員対応まで、実情に即して継続的にサポートできるのが顧問契約の強みです。人に関する悩みを早めに相談できる体制づくりに、ぜひご活用ください。

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代表社員 坂本直紀の紹介

坂本 直紀(さかもと なおき)
人事コンサルタント/特定社会保険労務士/中小企業診断士
坂本直紀 社会保険労務士法人 代表社員

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