
精神障害の労災認定基準にパワーハラスメントが追加され、上司からの身体的・精神的攻撃に加え、同僚からの暴行やいじめ・嫌がらせも評価対象として整理されます。
【概要】
先日、パワハラが、精神障害の労災認定に追加されることが、厚生労働省の検討会で概ね決定しました。労災認定に必要な「業務による強い心理的負荷」に該当するものです。具体的には、次の内容が特徴的です。
1.パワーハラスメントの追加による明確化
うつ病など、精神疾患の労災認定基準の「出来事の類型」に、「パワーハラスメント」が追加されます。そして、具体的出来事として、「上司などから、身体的攻撃、精神的攻撃等のパワーハラスメントを受けた」が追加されます。
労災認定基準において、”強いストレス”と評価される例は、以下の通りです。
●上司などから、治療を要する程度の暴行など、身体的攻撃を受けた場合
●上司などから、暴行など、身体的攻撃を執拗に受けた場合
●上司などから、人格や人間性を否定するような、業務上明らかに必要性がない精神的攻撃が執拗に行われた場合
2.具体的出来事の部分変更
具体的出来事につき、以下に変更されます。
【現在の名称】「(ひどい)嫌がらせ、いじめ、又は暴行を受けた」
↓
【変更後の名称】「同僚等から、暴行又は(ひどい)いじめ・嫌がらせを受けた」
これにより、パワーハラスメントに該当しない、優越性のない同僚間の暴行や嫌がらせ、いじめなどを評価する項目として位置づけます。
労災認定基準において、”強いストレス”と評価される例は、以下の通りです。
●同僚などから、治療を要する程度の暴行等を受けた場合
●同僚などから、人格や人間性を否定するような言動を執拗に受けた場合
【意見・感想・解説】
今回は、精神障害の労災認定基準に、パワハラが追加されることについて取り上げました。
これまで、パワハラについては、主に「(ひどい)嫌がらせ、いじめ、又は暴行を受けた」で判断されていました。もともとセクシュアルハラスメントは存在していたのですが、法制化に合わせて、パワーハラスメントも、出来事の類型に加わったという流れが見て取れます。これで、パワハラについて明確になりましたので労災の請求がし易くなったため、請求件数としては増えてくると思います。
こうした問題を防ぐ上では、以下のパワハラの6類型が自社で生じていないか、確認することが大切になります。
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1.身体的な攻撃(暴行・傷害)
2.精神的な攻撃(脅迫・暴言等)
3.人間関係からの切り離し(隔離・仲間外し・無視)
4.過大な要求
5.過小な要求
6.個の侵害(私的なことに過度に立ち入ること)
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ハラスメント対策研修のご案内
パワーハラスメントは、職場の人間関係や従業員の心身に深刻な影響を与えるだけでなく、精神障害の労災認定につながる可能性もある重要な問題です。企業としては、ハラスメントが発生してから対応するのではなく、管理職や従業員が正しい知識を持ち、未然に防止するための取り組みを進めることが大切です。
特に管理職は、日々の指導や注意がパワーハラスメントと受け止められないよう、適切なコミュニケーションや指導方法を理解しておく必要があります。また、相談を受けた際の初期対応を誤ると、問題がさらに大きくなるおそれもあります。
坂本直紀の研修では、パワーハラスメントをはじめ、セクシュアルハラスメント、妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメント、カスタマーハラスメントなどについて、具体例を交えながら分かりやすく解説します。ハラスメントのない職場づくりを進めるために、ぜひハラスメント対策研修をご活用ください。
ハラスメント対策研修例(管理職向け)
(1)ハラスメントによるリスク
(2)セクシュアルハラスメントとは
(3)パワーハラスメントとは
(4)妊娠、出産、育児休業等のハラスメントとは
(5)カスタマーハラスメントとは
(6)ハラスメントと労災
(7)ハラスメントをしないために
(8)怒りの感情コントロール
(9)適切な指導
(10)相談対応上の留意点
(11)ハラスメントを受けた場合
(12)ハラスメント防止規程解説
(13)職場内コミュニケーション
(14)グループワーク
(15)まとめ
一緒にハラスメントのない職場づくりを目指しましょう。
研修講師:坂本直紀の紹介
坂本 直紀(さかもと なおき)
人事コンサルタント/特定社会保険労務士/中小企業診断士
坂本直紀 社会保険労務士法人 代表社員
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