
【概要】
ある大手電機メーカーの男性社員5人が、平成26年からの4年間、労働基準監督署に労災認定され、うち2人が過労自殺していることが分かりました。具体的には、次の内容が特徴的です。
1.5人のうち3人は、裁量労働制が適用されていました。
2.会社側は、今回の労災認定とは無関係としながらも、全社員約3万人中、約1万人に適用していた裁量制を今年3月に撤廃しました。
3.労災認定された5人は、いずれもシステム開発の技術者や研究者でした。
【意見・感想・解説】
裁量労働制を廃止する内容を取り上げました。
今回の対象者は研究開発者ということなので、専門業務型の裁量労働制ですね。最近は、専門業務型裁量労働制に関する労基署のチェックが厳しくなり、弊社のクライアントでも、専門業務型裁量労働制に関して厳しく指導を受けるケースもありました。「裁量労働」とは、本来であれば社員が自身の裁量に基づいて業務を実施するわけですから、自身で労働時間のコントロールが可能となり、長時間労働を防ぐことにもつながるはずです。
しかしながら、厳しい競争環境の中、会社から求められるものが高くなり、結果的に長時間労働が強いられる状況になっていても不思議ではありません。また、裁量労働制を用いることで、一定時間働いたこととみなし、残業手当を削減するといった狙いも場合によっては、あるかもしれません。そのため裁量労働は、労働者にとって過重労働による健康障害リスクがあるとともに、支給される賃金が労働の対価としては割に合わない面があります。
今回のようなニュースを受け、今後は労基署も引き続き、裁量労働について厳しくチェックしていくと思われます。自社で裁量労働制を実施している場合は、今一度、問題ないか確認してみるとよいでしょう。
顧問契約サービスのご案内
裁量労働制をはじめとする労働時間制度は、適切に運用できていなければ、長時間労働や健康障害、未払い残業代、労基署からの是正指導など、重大な労務トラブルにつながるおそれがあります。特に、専門業務型裁量労働制は、対象業務や本人の裁量の有無、労使協定、健康確保措置など、制度設計と実態の両面から慎重な確認が必要です。
坂本直紀 社会保険労務士法人の顧問契約では、こうした人事労務上のトラブルを未然に予防するとともに、万が一問題が発生した場合にも、適切かつ迅速な対応を行えるようサポートいたします。労働時間管理、就業規則の整備、労基署対応、メンタルヘルス対策など、企業の実情に応じた実務的な助言を行います。
また、労務管理の適正化は、単なるリスク回避にとどまりません。社員が安心して働ける職場環境を整えることは、優秀な人材の確保及び定着にもつながります。人材不足が深刻化する中、企業が持続的に成長していくためには、法令遵守と働きやすい職場づくりの両立が重要です。
自社の裁量労働制や労働時間管理に不安がある場合は、問題が表面化する前に、専門家による確認を受けることをおすすめします。
顧問契約の内容
- 定期対面による、親身な対応
貴社の人事労務の課題を深く理解し、現場目線で実践的な提案を行います。 - ご相談に対する、迅速な回答
メール・電話・オンラインなど最適な手段でスピーディーに対応します。 - 就業規則の作成・改定
最新法令を踏まえた規程整備でリスクを軽減します。 - 書式や最新情報のご提供
実務でそのまま使えるフォーマットと最新トレンドを随時共有します。
代表社員 坂本直紀の紹介
坂本 直紀(さかもと なおき)
人事コンサルタント/特定社会保険労務士/中小企業診断士
坂本直紀 社会保険労務士法人 代表社員
坂本直紀の詳しいプロフィールはこちら
坂本直紀の研修・セミナー実績はこちら
坂本直紀の書籍執筆実績はこちら
坂本直紀の雑誌執筆実績はこちら
坂本直紀のメディア取材実績はこちら









