カスハラの定義を解説する人事労務資料。顧客から指をさされる従業員と、相談・法的判断・電話やSNS対応のイラスト
カスタマーハラスメントの定義となる3要素と、正当な苦情・合理的配慮・電話やSNSでの迷惑行為との違いを説明するイラスト
カスハラは「顧客等の言動」「社会通念上の範囲を超える言動」「就業環境が害されること」の3要素をすべて満たす場合に該当します。

概要

今回から、カスタマーハラスメント対策に関する指針、いわゆる「カスハラ指針」について取り上げます。

正式名称は、「事業主が職場における顧客等の言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針」です。

メルマガ執筆時点ではまだ確定していませんが、労働政策審議会は既に指針案を妥当と認めています。そのため、現状の指針案に沿った内容で確定するものと予想されます。

今回は、カスタマーハラスメントの定義について解説します。

カスタマーハラスメントの定義

職場におけるカスタマーハラスメントとは、次の3つの要素をすべて満たすものをいいます。

(1)顧客等の言動であること

(2)労働者が従事する業務の性質その他の事情に照らして、社会通念上許容される範囲を超えたものであること

(3)その言動によって、労働者の就業環境が害されること

顧客等からの苦情について

顧客等から寄せられる苦情のすべてが、カスタマーハラスメントに該当するわけではありません。

客観的に見て、社会通念上許容される範囲で行われた苦情や要望は、正当な申し入れであり、カスタマーハラスメントには当たりません。

障害のある方からの申し入れについて

障害のある方が、法律で禁止されている不当な差別的取扱いをしないよう求めることや、社会的障壁の除去を必要としている旨を伝えることは、カスタマーハラスメントには当たりません。

事業者は、その実施に伴う負担が過重でない場合には、社会的障壁を取り除くために必要かつ合理的な配慮を行う必要があることに留意しなければなりません。

電話やSNS上の言動について

カスタマーハラスメントは、店舗や施設などで対面して行われるものに限られません。

電話、電子メール、SNSなど、インターネット上で行われる言動も対象に含まれます。

意見・感想・解説

カスタマーハラスメントへの対応では、顧客からの正当な苦情や要望と、社会通念上許容される範囲を超えた言動とを適切に区別することが重要です。

従業員を守ることは必要ですが、苦情を受けたという理由だけでカスタマーハラスメントと判断してしまうと、顧客からの正当な申し入れを軽視することになりかねません。

企業には、言動の内容、手段、回数、継続時間、要求の妥当性、従業員への影響などを踏まえ、客観的に判断できる基準を整備することが求められます。

また、電話やSNS上の言動も対象となるため、対面対応だけでなく、録音、記録の保存、相談・報告手順、対応を打ち切る基準なども明確にしておく必要があります。

ハラスメント対策研修のご案内

カスタマーハラスメントに適切に対応するためには、正当な苦情との違いや、対応を継続・中止する判断基準を管理職と従業員が共通して理解することが重要です。

坂本直紀の研修では、具体的な事例を用いながら、カスタマーハラスメントの判断基準、初期対応、従業員を守るための社内体制について分かりやすく解説します。

 

ハラスメント対策研修例(管理職向け)

(1)ハラスメントによるリスク
(2)セクシュアルハラスメントとは
(3)パワーハラスメントとは
(4)妊娠、出産、育児休業等のハラスメントとは
(5)カスタマーハラスメントとは
(6)ハラスメントと労災
(7)ハラスメントをしないために
(8)怒りの感情コントロール
(9)適切な指導
(10)相談対応上の留意点
(11)ハラスメントを受けた場合
(12)ハラスメント防止規程解説
(13)職場内コミュニケーション
(14)グループワーク
(15)まとめ

一緒にハラスメントのない職場づくりを目指しましょう。

 

研修講師:坂本直紀の紹介

坂本 直紀(さかもと なおき)
人事コンサルタント/特定社会保険労務士/中小企業診断士
坂本直紀 社会保険労務士法人 代表社員

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