
概要
前回に引き続き、カスタマーハラスメント(カスハラ)指針について取り上げます。
職場におけるカスタマーハラスメントとは、職場において行われる次の3つの要素をすべて満たすものをいいます。
(1)顧客等の言動であること
(2)労働者が従事する業務の性質その他の事情に照らし、社会通念上許容される範囲を超えたものであること
(3)その言動によって労働者の就業環境が害されること
今回は、この定義に含まれる「顧客等」の範囲について解説します。
顧客等とは
「顧客等」には、次のような人が含まれます。
・顧客(今後、商品を購入したり、サービスを利用したりする可能性がある潜在的な顧客を含みます)
・取引の相手方(今後、取引をする可能性がある者を含みます)
・施設の利用者(駅、空港、病院、学校、福祉施設、公共施設等を利用する者をいい、今後利用する可能性がある者を含みます)
・その他、事業主が行う事業に関係を有する者
顧客等の具体例
具体的には、次のような人々が該当します。
・事業主が販売する商品を購入する者や、サービスを利用する者
・事業主が行う事業の内容等について問い合わせをする者
・取引先の担当者
・企業間の契約締結に向けた交渉を行う担当者
・施設やサービスの利用者およびその家族
・施設の近隣住民
このように、「顧客等」は、実際に商品やサービスを購入した人だけに限定されません。潜在的な顧客、問い合わせをした人、取引先、施設利用者の家族、近隣住民など、事業に関係を有する幅広い人が含まれます。
意見・感想・解説
カスタマーハラスメント対策を進める際には、「顧客等」の範囲を狭く捉えないことが重要です。
実際に契約や購入をした顧客だけでなく、問い合わせ段階の人、取引先の担当者、施設利用者の家族、近隣住民などからの言動も、一定の要件を満たせばカスタマーハラスメントに該当する可能性があります。
そのため、相談窓口や対応マニュアルを整備する際は、接客部門だけを対象にするのではなく、営業、総務、受付、電話対応、施設管理など、社外の人と接点を持つ幅広い部署を想定する必要があります。
また、相手が顧客等に当たるだけで、直ちにカスタマーハラスメントになるわけではありません。要求の内容や言動の態様が社会通念上許容される範囲を超えているか、その結果として労働者の就業環境が害されているかを、個別の事情に応じて判断することが大切です。
ハラスメント対策研修のご案内
カスタマーハラスメントに適切に対応するためには、管理職や従業員が「正当な要望」と「社会通念上許容される範囲を超えた言動」の違いを理解し、組織として統一した対応を行うことが重要です。
坂本直紀の研修では、カスハラの判断基準、初期対応、従業員の安全確保、相談対応、再発防止策などを、具体例を交えながら分かりやすく解説します。
ハラスメント対策研修例(管理職向け)
(1)ハラスメントによるリスク
(2)セクシュアルハラスメントとは
(3)パワーハラスメントとは
(4)妊娠、出産、育児休業等のハラスメントとは
(5)カスタマーハラスメントとは
(6)ハラスメントと労災
(7)ハラスメントをしないために
(8)怒りの感情コントロール
(9)適切な指導
(10)相談対応上の留意点
(11)ハラスメントを受けた場合
(12)ハラスメント防止規程解説
(13)職場内コミュニケーション
(14)グループワーク
(15)まとめ
一緒にハラスメントのない職場づくりを目指しましょう。
研修講師:坂本直紀の紹介
坂本 直紀(さかもと なおき)
人事コンサルタント/特定社会保険労務士/中小企業診断士
坂本直紀 社会保険労務士法人 代表社員
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