残業対策として仕事の見える化を進める職場で、定時退社に向けて社員が帰宅準備をする様子
残業禁止を徹底する職場で、仕事の見える化と効率化により残業削減と業績向上を目指す様子
残業を減らしても成果は高められる。仕事の見える化により、業務効率化と業績向上を実現する考え方を紹介します。

【概要】

前回から、仕事の見える化の重要性について、残業対策の観点からお話しさせていただいております。

仕事の見える化の内容については、来週から解説させていただきますが、今回は、残業しなくても、企業の生産性を高めている企業の事例を取り上げます。

トリンプインターナショナルの事例です。この会社の元社長の吉越氏は、今は書店で多くの書籍が並んでおり、ビジネス書の著名な作家の一人になっています。

吉越氏といえば、徹底的に残業を削減させたことで有名です。具体的には、残業を禁止し、基本的には例外を認めない方針としました。

ただ、残業を禁止といいましても、現場では残業して仕事することが当たり前になっていたため、残業している社員も見受けられました。そこで、社長自ら社内を周って、社内の電気を消しまくる日々が続いていました。会社では、あちこち悲鳴が聞こえていたそうです。

それでも、残業したら、部署連帯でペナルティを科していました。具体的には、1回の残業で部署全体のボーナス原資を2万円カットしていました。また、残業した部署は反省会を義務付けられ、議事録を提出します。本当に徹底していますね。

こうした対策により、「残業禁止」が社内で根付きました。問題は、残業禁止したことにより、会社の業績はどうなったかです。実は、トリンプインターナショナルは、吉越氏が社長でいる間、19年連続で増収増益を果たしました。

つまり、残業を禁止したことで、売上も利益も伸びています。従って、労働時間を長くすれば、売上が増加するわけではないということになります。

前回、これからの時代は、間違いなく残業規制の方向は強化されるであることを説明しました。そうした中、取るべき方向は2つのうち、どちらかです。

まず、1つ目は、仕事の効率化を進めて、残業を徹底的に削減し、会社の業績向上を目指す方向

2つ目は、残業をあえて削減せずに、問題がもし生じたら、その都度、対策を講じて乗り切る方向

どちらも、間違いではありませんが、リスク回避を考えますと、緩やかでもいいですので、今後は1つ目の方向を目指していくことをお勧めします。

来週は、残業削減を進める上で、どうすればいいのか。見える化の視点で解説します。