日本郵便の契約社員と正社員の手当格差をめぐり、東京地裁が住居手当や年末年始勤務手当の一部を不合理な相違と判断した裁判の解説イメージ
日本郵便の契約社員3人が正社員との手当格差を不合理として争い、東京地裁が住居手当や年末年始勤務手当の一部を認めた裁判の解説イラスト
日本郵便の契約社員が正社員との待遇差を違法として争った訴訟で、東京地裁は住居手当の6割、年末年始勤務手当の8割を損害額として認定しました。

【概要】

日本郵便の契約社員の男性3人が、正社員と同じ仕事をしているのに手当等に格差があることを違法として、日本郵便に計約1500万円の損害賠償を求め、東京地裁で判決がありました。具体的には、次の内容が特徴的です。

1.東京地裁は、訴えの一部を認めました。そして、日本郵便に計約92万円の賠償を命じました。

2.住居手当と年末年始に勤務にした際の手当は、「職務内容などの違いで差異を設けるのは不合理」としました。そして、住居手当の6割、年末年始勤務手当の8割を損害額と認定しました。

3.お盆や年末年始の特別休暇と有給の病気休暇がないことは損害の請求はありませんでしたが「不合理な相違」と判断しました。

【意見・感想・解説】

今回は、契約社員お手当等の格差が違法と判断した判決を取り上げました。いわゆる労働契約法20条の問題です。

労働契約法20条の条文は以下の通りです。
「有期労働契約を締結している労働者の労働契約の内容である労働条件が、期間の定めがあることにより同一の使用者と期間の定めのない労働契約を締結している労働者の労働契約の内容である労働条件と相違する場合においては、当該労働条件の相違は、労働者の業務の内容及び当該業務に伴う責任の程度(以下この条において「職務の内容」という。)、当該職務の内容及び配置の変更の範囲その他の事情を考慮して、不合理と認められるものであってはならない」

そして、対象となる労働条件は、賃金のみならず一切の待遇が含まれることになります。今回のケースは、いわゆる賃金(住宅手当等)、休暇(特別休暇)について不合理と認められたようです。

判決をみなければ詳細な事項はわかりませんが、例えば年賀状配達の業務に対して正社員のみに支払われる「年末年始勤務手当」について、契約社員に全く支払わないのは不合理と判断したようです。

今後は、同一労働同一賃金の流れもあり、正社員には支給するが、契約社員には支給しない手当がある場合は、その根拠を明確にしていかなければならないでしょう。賃金以外にも休暇制度等も違いがあれば、根拠を明確にしていく必要があると思います。

今一度、正社員就業規則、契約社員就業規則を点検しておくと良いでしょう。