人事労務解説リスキリング第9回「積立休暇制度」。年次有給休暇の失効分を積み立て、学び直しのために利用する制度を解説するイメージ
失効した年次有給休暇を積み立て、学び直しにも利用できる積立休暇制度を説明する人事労務のイラスト
失効した年次有給休暇を積み立て、会社の許可を得て学び直しなどに利用できる「積立休暇制度」の仕組みを解説します。

【概要】

前回まで、リスキリングの「実務上の留意点」についてお伝えしてきました。

今回は、就業規則の規定例として、学び直しを取得事由とした、「積立休暇制度」を紹介します。

学び直しに活用できる積立休暇制度(就業規則)

規定例は、以下の通りです。

規定例

「積立休暇」
第〇条 従業員は、就業規則第○条に定める年次有給休暇に関して、やむを得ず時効により、消滅した日数を積み立てることにより、積立休暇として利用することができる。
  2 毎年、積み立てできる日数は1年につき、○日を限度とする。また、積み立てできる日数の上限は〇日とする。
  3 積立休暇を利用できる従業員は、勤続年数が〇年を超える従業員とする。
  4 積立休暇の利用目的は、次のいずれかに該当し、会社が認めた場合に限り、取得することができる。
(1)業務外の傷病により休業する場合
(2)家族の看護、介護のために休業する場合
(3)学び直しのために休業する場合
  5 積立休暇を利用する場合は、あらかじめ所定の様式にて会社に申請し、許可を得なければならない。また、会社が利用目的を確認するために、確認書類を求めた場合は、速やかに提出しなければならない。
  6 積立休暇の申請に対し、対象期間中において業務の正常な運営に支障があると求められるときは、会社は取得時期の変更を求めることがある。
  7 積立休暇は有給とする。

このように、年次有給休暇の失効分を一定日数、積み立てておき、学びなおしなど一定の事由が生じたときに、有給の休業を認めることが考えられます。

【意見・感想・解説】

リスキリングを促進するためには、研修の機会を設けるだけでなく、従業員が実際に学ぶ時間を確保できる仕組みも重要です。

失効する年次有給休暇を積立休暇として活用し、学び直しを取得事由に加えることは、従業員の自発的な能力開発を支援する方法の一つといえます。

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代表社員 坂本直紀の紹介

坂本 直紀(さかもと なおき)
人事コンサルタント/特定社会保険労務士/中小企業診断士
坂本直紀 社会保険労務士法人 代表社員
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