喫茶店チェーンで有期雇用の女性従業員が「鮮度が落ちる」と雇い止めを告げられ、地位確認を求めて提訴した事例のイメージ
喫茶店チェーンで有期雇用の女性従業員が、契約更新上限と「鮮度」を理由に雇い止めを告げられる漫画
3カ月ごとの契約更新で約4年11カ月勤務した喫茶店従業員が、契約更新上限と「店の鮮度」を理由に雇い止めを通告される場面を描いた画像です。

【概要】

ある喫茶店チェーンを雇い止めになった有期雇用の女性が、従業員としての地位確認等を求めて東京地裁に提訴しました。具体的には、次の内容が特徴的です。

1.女性は2008年7月以降、千葉市の店舗で計4年11カ月勤務しました。

2.3カ月ごとに契約を更新していたところ、2012年3月に会社から契約更新の上限を15回にすると通達があり、2013年6月に雇い止めを通告されました。

3.労働者側の主張によりますと、会社側は「定期的に従業員が入れ替わって若返った方がよい。これを『鮮度』と呼んでいて、従業員が入れ替わらないとその店の新鮮度が落ちる」と発言したようです。

【意見・感想・解説】

今回は、雇止めを不服として、東京地裁に提訴した事件を取り上げました。

まず、今回の特徴は、会社が急に契約更新の回数の上限を15回に定めたことです。あくまでも、憶測ですが、改正労働契約法による無期労働契約への転換を意識しているのかもしれません。

この制度は、有期労働契約が繰り返し更新されて通算5年を超えたときは、労働者の申し込みにより、期間の定めのない労働契約に転換できるルールになります。3か月更新の15回ですから、5年を下回ります。もしかしたら、改正労働契約法を意識していたのかもしれませんね。

さて、今回の事件では、仮に労働者側の主張通りだとすると、会社が、社員のことを「鮮度」という言葉を使用していたようです。さすがに、これはいけません。

社員は、これまで、会社のために日々頑張ってきたのですから、社員一人ひとりの尊厳を守らなくてはなりません。そして、社員一人ひとりの感情を意識する必要があります。感情には良い感情と悪い感情があります。

「新鮮度が落ちる」という理由で雇止めだといわれたら、会社に対して悪い感情が芽生えても不思議ではありません。その結果、今回のように裁判というトラブルにつながるリスクが生じます。

また、今はインターネットの普及で、悪い評判は一気に拡散します。会社側としては、きちんと社員と向き合い、不適切な言動をしないように注意する必要があります。